ダーツがなかなか上達しない、試合で勝ちきれない。
そんな悩みを持つAフライト以下のダーツァー諸君に聞きます。
アナタは基本的な戦術は理解していますか?
追い詰められると無謀なワンチャンに賭けて自滅していませんか?
今回はそんなダーツで勝ちきれない方のために、『01』の基本戦術を書いていきたいと思います。
基礎的な技術は日々の練習あるのみですが、試合で勝つには戦術もとても重要です。
なぜそこを狙うのか、なぜそこを狙ってはいけないのか。
一投一投にしっかりと理由を見つけることが出来れば、試合中も気持ちがブレずに自信をもって投げることが可能になり、結果として勝率アップにもつながります。
そんな勝ち方についてしっかり考えていきましょう。
01はメンタル勝負
01は、いかに早く持ち点を減らすかを競うルールです。
そのため、180点を下回って上がりが見えるまでは、ひたすら高得点のポイントを狙い続けることになります。
01において、この『狙い続ける』という行為が本当に難しい。
毎回同じフォーム、同じ軌道でダーツを投げるためには精神的な安定が必要不可欠ですが、「相手の方が点数の減りが速い」「いつも通りブルに入ってくれない」など、メンタルを揺さぶられる要因がいつも頭をよぎりますよね。
そして無理な逆転を狙って「T20」に狙いを変え、案の定外して自滅。
そんな負けパターンに陥らないためには、メンタルを強くするしかありません。
どんな状況であれ平静を保ち、淡々と自分のリズムで投げ続ける。
それが出来れば最低限自分の実力通りのスタッツでゲームを進めることが出来ます。
では、平静を保つためには何をするべきで、何をしてはいけないのか。
その辺について掘り下げていきます。
Aフライト以下は絶対ブル狙い
ダーツの的の中で、もっとも得点が高いのはT20(トリプル20)です。
いち早く持ち点を減らしたい01では、常に最高得点を狙っていきたい。
でも、Aフライト以下のレーティングしかないならばT20は絶対に狙ってはいけません。
どんなに点数で負けていても、逆転を狙ってT20へ投げるような行為はただの自殺行為となります。
それは何故なのか。
これは一目瞭然で、的の大きさが関係しています。
なんとなくでも、トリプルとブルであればブルの方が大きいことはわかりますよね。
では、どの程度大きさに違いがあるか知っていますか?
実は、ブルはトリプルの約3倍も大きいんです。
ダーツライブのようにブルもインブルも一律で50点のルールを前提として話を進めると・・・
ブルとT20の期待値の差は、ブルに入って得られる得点の期待値を仮に『1』とするとT20狙いはわずか『0.4』しかないことになるんですね。
T20の得点はブルの1.2倍、面積は0.33倍だから、【1.2×0.33=0.396】
要は、追い詰められてT20を狙った時点で期待値が0.4倍の『負け筋』を自ら選択してしまっている、ということなんです。
ダーツライブでのAフライトのスタッツは01で『80~94.9』。
これは、3本投げて1本はブルに入れられる程度の実力を意味します。
では、3本投げてようやく一本ブルに入るレベルの腕前で、得点こそ1.2倍でも面積が1/3しかないT20を狙ったらどうなるか、簡単に想像できますよね?
ここ一番で実力以上の勝負強さを発揮する可能性も0ではありませんが、それはあくまで偶然の産物。
Aフライト以下の実力しかないということは、たまに奇跡的なスローを成功させたとしてもその分他のところでしっかり外しているということです。
大切なのは、自分の実力の範囲で常に一番期待値の高いポイントを狙い続けること。
どんな状況であれ最善を尽くす=期待値の高いブルを狙い続けるということなんです。
ちなみに狙いを外した場合の期待値も加味して考えると・・・
ブルに隣接する点数は
【20/1/18/4/13/6/10/15/2/17/3/19/7/16/8/11/14/9/12/5】
ブルを外してこれらのいずれかに入った場合、点数の期待値は平均して10.5点。
T20に隣接する点数は
【20/1/T1/1/20/5/T5/5】
T20を外してこれらのいずれかに入った場合、点数の期待値は平均して8.75点。
(厳密には面積の違いも関係してきますが、ここではザックリ同じものとして計算)
ブル狙いは外したら10.5点、T20狙いは外したら8.75点ですから、この場合もT20狙いがいかに無謀な賭けであるかがわかりますね。
ルールによる例外
01でも、ルールの設定によってはブルで25点、インブルで50点とする場合もあります。この場合はブル狙いが最善とは限りませんよ。
アレンジは『32』を最優先
180を切って上がりを意識した時はどこを狙うべきでしょうか。
これは、『32』を作ることを最優先する、というのが正解です。
スタッツ80そこそこ、もしくはそれ以下のレーティングで、残り180近い点数を一気に上がりに行くというのはおすすめできません。
場合によって、例えば相手があと2ラウンドは上がり圏内に入ってこない、みたいな場合はチャレンジするのもアリかも知れませんが、そんな無謀な挑戦をした結果いつの間にか追いつかれている、というのが最ももったいない負け筋。
32は01のアレンジにおいてもっとも理にかなった数字です。
なぜなら、『8』と『16』の隣接するエリア内でリスクを最小限にして上がりに向かうことが出来るからです。
そして、上がりのために狙うエリアを限定することはもう一つの利点があります。
それは、練習しやすいということ。
Aフライト以下のレーティングであれば、盤面すべての数字を同じように狙い分ける技術はまだ身についていないはずです。
そんな段階でも『8』『16』の周辺に絞る前提であれば濃い練習が可能です。
このエリアを『得意なゾーン』だと感じるレベルまで練習することで、試合でも実力通りのスローが出来る、というわけですね。
せっかくのリードをイチかバチかのアレンジで無駄にするよりも、確実に仕留められる『32』を常に意識して作っていく。
01ではセオリーとされるこの戦術を、しっかりと守って練習しておきましょう。
まとめ
01はシンプルです。
上に述べた2つの戦術はとてもベタなセオリー通りの戦術であり、01はこの『セオリー通りの戦術』が常に最強です。
相手を意識してしまうと「いかに逆転するか」を考えてしまいがちですが、01はお互いの点数に干渉する手段がない競技ですから、相手との駆け引きよりも自分のベストパフォーマンスを発揮することに集中して戦うべき、ということですね。
徹底してドライにセオリーを守る。
これが実行できるメンタルを身につければ、01の勝率はメキメキ上がって行きますよ。
あくまで『自分の実力の範囲』での話ですがね。
自分の実力を上げるには練習あるのみ。
上達を早める為には「自宅でも常に練習できる環境を作る」ということがとても効果的です。
自宅用ダーツボードについてはこちらの記事を合わせて読んでみてください。