ダーツ縦

フライトとシャフトを選ぶ時に知っておきたい『上達マインド』

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ダーツのセッティングを考えるとき、バレルの次に考えるのはシャフトとフライトです。

フライトは空気抵抗でダーツの空中姿勢を整え、シャフトはバレルとフライトを繋ぐ軸として機能します。

では、フライトとシャフトはどういう基準で、どういうマインドで選べばいいのか知っていますか?

この記事ではフライトとシャフトを選ぶ際に知っておきたい『上達のためのマインド』を解説します。

目次

フライトの選び方で上達速度が変わる

フライトには様々な形があります。

代表的なものを羽の面積の大きさで並べると

スタンダードシェイプカイトティアドロップスリム

といった感じ。

フライトは『空気抵抗でダーツの空中姿勢を安定させること』が仕事であり「羽が大きい=空気抵抗が大きい=空中姿勢が安定する」という関係性が成り立ちます。

では、実際にどれを選べばいいのか。

フライトで補正しているうちは上達しない

よく初心者向けの解説サイトでは「初心者にはスタンダードが良い」と書かれていることが多いように思いますが、これは半分正解。

理屈としては「スタンダードは羽の面積が大きいからダーツの飛びが乱れやすい初心者にはおすすめ」というもので、確かに間違いではありません。

ただしもう半分の真理として『飛びの乱れをフライトで補正しているうちは上達しない』ということも同時に知っておかなければいけません。

事実、安定して強いプロや上級者はダーツの飛びがキレイで、空中でもヨレたりブレたりせずに、放物線に沿ってまっすぐ飛んでいきます。

反面、スコアが安定しない人はダーツの空中姿勢もブレブレで羽が上を向いたりしたを向いたり、蛇行しながら飛んでいきます。

ダーツの蛇行はフォームに乱れがあることを表し、乱れたフォームから放たれる蛇行軌道は毎回違う放物線を描いてしまいます。
(毎回全く同じ一定のブレ方で上手いプレイヤーもいるが)

ボード上の『1ビット』の差を競うダーツにとっては、毎回違う軌道で飛んでいくダーツは致命傷。
ある程度までは上達できても、最後の1ビットを詰め切る上級者になることは出来ません。

飛びが綺麗なプロはフライト無しでも刺さる

飛びがキレイなAAフライトの猛者(プロライセンス保持者)と一緒に練習していて驚いた事があるのですが、本当に飛びがキレイな人はフライトが無いバレルとシャフトとチップだけの状態でもダーツをボードに差すことが出来ます。

私も試しにやってみましたが、ダーツは蛇行して半分以上弾かれてしまいました。

興味がある方はやってみてください。
ただし外して落下したダーツはフライトというクッションが無いので「バチンッ!」と大きな音がします。
周囲の迷惑にならないように。

上達したければ小さなフライトを選ぶべき

上級者は『グルーピングで有利』という理由で小さなフライトを選びますが、そもそも飛びが汚いひとは小さなフライトを使いこなすことが出来ません。

上手いから小さいフライトを選ぶのではなく、小さいフライトでも綺麗に飛ばせるから上手いと考えるべきです。

そして、いつまでも大きなフライトに甘えていてはキレイな飛びは手に入らないということでもあります。

だから私はこう考えます。

『上達したい初心者は小さなフライトでまっすぐ飛ばす練習をするべき』

おすすめはパーツ選択の豊富さ、クセの無さからティアドロップ一択です。

シャフト一体成型のフライトは選ばない

フライトには羽の形以外にも素材や成型方法の違いがあります。

『紙フライト』は、もっともよく見るパタッと折りたためる紙製のタイプ。

『成型フライト』は、プラスチック製で羽が90°などの一定角度に固定されたタイプ。

『シャフト一体成型フライト』は、フライトとシャフトが初めからくっついて成型されたタイプ。

紙フライトはファッション性重視

まず紙フライトは論外。

製造コストが安くて加工しやすいからいろんなコラボ柄があって楽しいのはわかりますが、飛びの面では「羽の角度が安定しない=空気抵抗が毎回違う」というデメリットがあります。

「調子が悪い」時に、フォームが悪いのかフライトが悪いのかの判断が出来ないという迷いに繋がるため、上達のためには不向きです。

シャフト一体成型はコスパが悪い

シャフト一体成型フライトも上達のためには除外したいところです。

なぜなら、シャフトとフライトは両方消耗品ですが、傷む理由がそれぞれ違うからです。

フライトは主に、上級者であればグルーピング時に後ろからダーツがぶつかることで羽が削れたり変形したりします。
初心者であれば的に刺さらずに落下することでフライトにもダメージがあります。

対してシャフトは主にダーツが刺さらずに落下した時の衝撃で折れたり曲がったりしますが、フライトよりは寿命が長いパーツであると言えます。

それぞれ傷む理由も傷むペースもちがうので、両方一緒に交換を迫られるタイミングというのは実はあまりありません。

それなのにシャフト一体成型だと強制的に両方を交換しなくてはいけなくなってしまうので、無駄にコストがかかってしまいます。

上達のためには余計なコストをかけるより、1ゲームでも多く投げることに金を使った方が良いでしょう。

成形フライトは白無地がストイック

これらの理由からフライトは成形タイプがコストと性能のバランス的に良い、ということになります。

さらに言えば、コスト面も気にしての選択なので、より安い白無地が正義と言えるかも知れません。

この理屈にたどり着いたとき、ダーツ場で見かける白無地成形フライトのプレイヤーがストイックでカッコよく見えるようになります。

シャフトもシンプルに限る

シャフトもいろいろ進化していて、フライトが回転するタイプだけでも数種類がリリースされてます。

『グルーピング時に羽が回転することで後続の矢を弾かない』といったメリットで売り出されてますが、ぶっちゃけ体感できるほどの効果はなく、ほとんど意味はありません。

ダーツの飛びはとてもセンシティブですから、衝突するフライトが回転しようがしまいが、ちょっと接触しただけでどのみち軌道は変わってしまいます。

むしろ投げているときに3本の中で微妙に違う回転摩擦が気になって集中できないというデメリットの方が大きいこともあるでしょう。

それに、ダーツがホントに上手い上位勢はすでに刺さっているダーツをどう避けるかまで狙い分けています。

シャフトの長さはフライト以上に重要

ちなみに、シャフトの長さは本気でいろいろ試して考えた方が良いでしょう。

一般的には
スイング型のフォームなら長め(インビト~ロング)。
プッシュ型のフォームなら短め(ショート~インビト)。

と言われていますが、バレルとの相性や自分の手のサイズ、テイクバックの距離なども関係してくるので実はスローに対する影響がとても大きいパーツであると言えます。

全長が短いバレルに短いシャフトを挿すとフライトが手にあたったり、全長が長いバレルに長いシャフトを挿すと長すぎてテイクバックの邪魔になり、手首をこじるクセが付いてしまうこともあります。

「セオリー」は多くのプレイヤーに当てはまる法則ではありますが絶対ではありません。

いろいろ試してみて『ダーツの重心を意識すること』を覚えれば自分の最適解に辿り着ける可能性は上がるでしょう。

大切なのは自分の方法論

フライトとシャフトを選ぶ際の『上達マインド』について書いてきました。

おススメのアイテムを紹介するのではなく、あえてマインドの解説にこだわったのは、そのほうが自分なりの方法論に辿り着く可能性が高いからです。

ダーツはシンプルな競技だからこそ奥深く、ちゃんと考えることで上達速度を加速することが出来ます。

上手いプレイヤーはそれぞれに方法論や哲学を持っています。

自分なりの考え方、理論、方法論を構築していく楽しさに気づいて、さらなる上達を目指してください。


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