人気FPS『Escape from Tarkov』は比較的重めのゲームで、GPU性能もさることながらCPU性能及びメモリ搭載量がパフォーマンスに大きく影響すると言われています。
このページではメモリ搭載量毎にfpsを計測してEscape from Tarkovに最低限必要なメモリ搭載量を調べます。
検証環境
検証に使用したPC構成は以下。
OS | Windows11 home 64bit |
CPU | AMD Ryzen7 5800X3D (8core/16thread 3.4~4.5GHz) |
GPU | Nvidia GeForce RTX3070 |
マザーボード | ASRock B550M STEEL LEGEND |
メモリ | CORSAIR VENGEANCE LPX 3200MHz 16GB(×必要数) |
ストレージ | M.2 NVMe SSD 500GB & SATA SSD 500GB |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
Escape from Tarkov | ver.0.13.0.3.22470 |
fps計測ソフト | CapFrameX |
CPUはEscape from Tarkovに特に相性が良いことが証明されたキャッシュ爆盛の変態ゲーミングCPU『Ryzen7 5800X3D』。
GPUはRTX3070。
どちらも最新世代ではないが現役バリバリのミドルハイスペック構成です。
▶【Escape from Tarkov】CPUの違いによるfps検証
使用するメモリはCORSAIRのVENGEANCE LPX 3200MHz。
価格もお手頃なこのメモリを16GB(16×1)/32GB(16×2)/64GB(16×4)と挿し替えて計測しました。
検証方法
SCAVによるオンライン出撃をCapFrameXでfps計測しています。
Escape from Tarkovのグラフィック設定は以下。

不必要な機能は基本的にOFFにして動作を軽めに振ったセッティングです。
メモリ搭載量別の計測結果
結果はfps、スタッタリング、メモリ使用量に分けてまとめています。
なお計測回数はそれぞれ一回ずつであるため、同時にマップに存在したプレイヤーやNPCの数、マップ上の通過ルートなど検証内容のバラつきによる計測誤差も大きく出ています。
だいたいの傾向として捉えてください。
平均フレームレート(fps)
出撃MAP | メモリ16GB | メモリ32GB | メモリ64GB |
Factory | 222.2 | 222.1 | 245.4 |
Shoreline | 158.7 | 139.2 | 150.9 |
Woods | 153.8 | 147.1 | 150.1 |
Customs | 132.6 | 138.5 | 144.3 |
Interchange | 151.3 | 151.8 | 164.2 |
Reserve | 111.1 | 140.8 | 141.1 |
Lighthouse | 91.8 | 102.1 | 103.0 |
Street of Tarkov | 計測不可 | 97.8 | 87.4 |
スタッタリング(%)
出撃MAP | メモリ16GB | メモリ32GB | メモリ64GB |
Factory | 2.3% | 0.6% | 0.9% |
Shoreline | 0.7% | 0.6% | 0.4% |
Woods | 0.6% | 0.4% | 0.4% |
Customs | 1.6% | 0.2% | 0.1% |
Interchange | 0.3% | 0.3% | 0.4% |
Reserve | 1.3% | 0.4% | 0.3% |
Lighthouse | 3.0% | 0.6% | 0.4% |
Street of Tarkov | 計測不可 | 0.4% | 0.3% |
メモリ使用量(GB)
出撃MAP | メモリ16GB | メモリ32GB | メモリ64GB |
Factory | 平均 4.3 (最大 4.35) | 6.37 (6.89) | 9.75 (9.75) |
Shoreline | 9.21 (10.61) | 14.74 (15.35) | 12.86 (14.11) |
Woods | 10.13 (11.3) | 12.02 (13.41) | 13.15 (13.64) |
Customs | 10.81 (11.27) | 13.22 (14.14) | 14.69 (15.16) |
Interchange | 7.16 (7.74) | 10.26 (10.8) | 12 (12.45) |
Reserve | 10.43 (11.21) | 14.42 (15.04) | 14.99 (15.28) |
Lighthouse | 9.69 (12.01) | 18.73 (21.03) | 19.07 (20.18) |
Street of Tarkov | 計測不可 | 21.26 (23.08) | 22.43 (28.36) |
メモリ搭載量の計測まとめ
メモリ搭載量でフレームレートは大きくは変わらない
まずフレームレートに関しては、全体的にメモリ搭載量が多いほどfpsの数値も伸びる傾向にはありますがその変化は小さく、メモリ搭載量が増加してもそこまで大きくは変わらないことがわかります。
フレームレートへはCPU及びGPUの性能による影響が大きいものと思われます。
メモリ搭載量はfps値以上にスタッタリングへの影響が大きい
スタッタリング(stuttering)とは、画面が一瞬止まったように引っかかる現象、いわゆる”カクツキ”と呼ばれるものです。
今回のテストではメモリを16GB搭載した際のゲームプレイで、大半のマップで数秒に一度のペースで画面が引っかかるような現象が頻発していました。
なおスタッタリングはフレームレートの計測値には反映されないようで、16GB計測時のフレームレートの値だけを見れば問題ないように思えますが実際はスムーズなプレイが困難なレベルの症状が頻発していました。
ちなみに、メモリを32GBに増設してからは(他の環境には変更なく)スタッタリングの症状がほぼ確認できないレベルに落ち着いたため“今回の検証環境ではメモリ不足によってスタッタリングが起こっていた”と推測していますが、すべてのゲームに於いてスタッタリングがメモリ不足によって引き起こされるというわけではありませんのでご注意ください。
モニターなどの周辺機器、および「〜SYNC」などの描画同期機能の相性、その他様々な要因で引き起こされることがあります。
Escape from Tarkovではメモリは32GB以上が望ましい
メモリ使用量を見ると、メモリ32GB搭載時と64GB搭載時での使用量に大きな変化が無いことから、レイド中は概ね10〜20GB後半程度のメモリを使用するということがわかります。
同時に、メモリ16GB搭載時は本来必要とするメモリ領域を充分に確保できない状態でゲームをプレイしていた、ということも推測できます。
(メモリ16GB時のSoTではマッチング〜ロード後の画面切り替え時にゲームが落ちる現象が多発してまともにプレイ出来ませんでした。)
メモリ不足の症状としては前述のスタッタリング以外にも“レイド開始時の画面の切り替わりが遅い(切替時のブラックアウトが極端に長い)”などはっきりと体感できるものもあり、プレイの快適度に大きく影響します。
当然、カクツキやロード時の描画遅延はオンラインでの対人の撃ち合いにも大きく不利に働く可能性があります。
Escape from Tarkovをプレイする場合、出来ればメモリは32GBは搭載しておいたほうが望ましいと言えます。
さらに2022年12月のワイプで新実装された『Streert of Tarkov』は他のマップと比べてもメモリの消費量が大きく、瞬間的な高負荷やゲーム以外のアプリの同時使用を加味するなら64GBも検討する価値ありと言えそうです。
BTOでのPC購入時はメモリをカスタマイズ
最近はBTOショップでゲーミングPCを購入する場合、メモリ搭載量の最低ラインはほぼ「16GB」に設定されていることが多くなっています。
ハイスペックPCの場合は最初から32〜64GBのメモリが搭載されていることもありますが、エントリー〜ミドルスペックのゲーミングPCを購入する場合もEscape from Tarkovをプレイする予定がある場合は“構成のカスタマイズ”でメモリを増設しておきましょう。
メモリのカスタマイズ例
GALLERIA XA7R-R37 5700X搭載 Xbox Game Pass Ultimate同梱版

初期構成 | カスタマイズ例 | |
OS | Windows11 home | Windows11 home |
CPU | AMD Ryzen7 5700X (3.4GHz-4.6GHz/8コア/16スレッド) | AMD Ryzen7 5700X (3.4GHz-4.6GHz/8コア/16スレッド) |
GPU | GeForce RTX 3070 | GeForce RTX 3070 |
メモリ | 16GB (8GBx2) (DDR4-3200) | 32GB (16GBx2) (DDR4-3200) |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe Gen3) | 1TB SSD (NVMe Gen3) |
マザーボード | ASRock B550 TW (メモリスロット ×4 最大128GB) | ASRock B550 TW (メモリスロット ×4 最大128GB) |
電源 | 650W 電源 (80PLUS BRONZE) | 650W 電源 (80PLUS BRONZE) |
価格 | ¥179,980 | ¥194,880 |
GALLERIA XA7R-R37は8コア16スレッドのRyezn7 5700Xを搭載することでマルチスレッド性能に強く、ゲームのみならずクリエイティブな作業にも向くオールラウンダーなミドルハイクラスのゲーミングPCです。
GPUにはRTX3070を搭載することでフルHD〜2K環境であらゆるゲームタイトルの高fpsプレイングを可能にし、リアルタイムレイトレーシングをはじめとする最新グラフィック機能を用いた描画性能にも妥協はありません。
Escape from Tarkovをプレイするためにメモリを32GBにカスタマイズしても20万円を切る価格設定で大人気の定番構成ゲーミングPCです。
▶GALLERIA XA7R-R37 5700X搭載 Xbox Game Pass Ultimate同梱版 詳細ページ(ドスパラ)
購入後に自分で増設する場合はメモリスロット数もチェック
「手持ちの余ったメモリがあるからPC購入後に自分で増設しよう」
という場合もあると思いますが、マザーボードによってはグレードやサイズの都合でメモリスロットが2つしかない場合があります。
16GB(8GB×2)のPCを購入し、手持ちの16GB(8GB×2)を追加で挿そうと思っていたらメモリスロットが足りず、結局32GB(16GB×2)のメモリを購入し直すことになってしまった。
などということにならないように注意してください。