本当に必要な現実的なモニター選び
自身のゲーミングモニターを買い替えるにあたって改めてモニター関連をいろいろ調べてみたところ、なにやらモニター事情が非常にややこしい。
とくにHDMI規格。とハードの進化と煽り文句。
「PS5で4K120fpsゲーム体験!」とかいうヤツね。
ということで、ゲーミングモニターの現実的な選び方とHDMIとDPとPCとPS5とフルHDと4KとHzとfpsについて、役立ちそうな情報と選び方を書いていきます。
主観たっぷりですが、毎日10時間以上モニターとにらめっこするクソザコゲーム実況者の意見としてお読みください。
たしかに嘘ではない。が、おおげさです。
ゲーミングモニターはそんなに安い買い物ではないので、みなさん事前にいろいろ調べると思います。
2020~2021年はPS5特需があるのでなおさらでしょう。
で、よく出てくるのが「PS5は4K120fps対応!だから○○を選べ!」みたいな言葉。
特にYoutuberなんかは目立ってなんぼなので、一部の最大値だけを取り上げて強い言葉で煽りがち。
たしかに嘘ではありません。PS5は4K120fpsに対応しています。
しかし、これはあくまで理論値のお話であり、現実的な使用域のお話ではないということを
理解しておく必要があります。
ちゃんと知っておかないと、無駄に高額なモニターを買って後悔することになるかも。
そもそもゲーミングモニターとは
ゲーミングモニターとは、一般的に「高リフレッシュレートのモニター」を指します。
なぜ高リフレッシュレート=ゲーミングなのかというと、一部の対戦系ゲームジャンル(FPSとかTPSとか格ゲーとかMOBAとか)において、リフレッシュレートが高い=画面の動きが滑らかな方が視覚情報的に相手よりも優位に立つことができるためゲーミング用途において重宝されがち、という理由。
リフレッシュレートとは
リフレッシュレートとは、モニター側で秒間何回の画面更新を行うかを表した数値を指します。
単位はHz(ヘルツ)。
数字が大きいほど1秒間にモニターに映し出せる画像の枚数が多い=動きが滑らかということ。
映像において高速で動く物体はコマ飛びして見えますが、描画枚数が多ければコマ飛びも少ないという理屈です。
普通は60Hz、ゲーミングモニターは144Hz、240Hzなど。
リフレッシュレートとフレームレートの違い
似たような言葉にフレームレート(fps/フレームパーセカンド)があります。
何が違うのかといえば基本的な意味合いには違いはないんですが、Hzはモニターの描画性能、fpsはPCやゲーム機の描画性能として使い分けられます。(厳密な違いは知りません)
どちらも秒間の描画枚数を指します。
液晶パネルの種類
意外と悩むのが液晶パネルの種類。
2020年末~2021年初の主流はTNかIPSの2択でしょう。
VAってものあるけどあんまり見なくない?
簡単に説明すると
TN・・・安くてキレが良い。視野角は狭め。
IPS・・・ちょい高くて綺麗。視野角は広い。
となります。
で、よく間違いがちなのが「IPSじゃないと視野角キツいんでしょ?」という疑問。
ゲームは基本的にモニターの前にどっしり構えてプレイするので、視野角的には
常にベストの状態です。わざわざ横からのぞき込んでプレイする人はいませんよね。
なので、ゲーミングモニターにおいて視野角の広さでIPSを選ぶというのは基本的に間違い。
(家族兄弟友人みんなで1モニターでプレイするから視野角は大事!という場合を除いて。)
むしろパネルの種類よりも調整機構(画面の角度や高さの調整)の充実っぷりを重視した方が
快適な場合が多いかも。
なので、ゲーミングモニターという点ではTNパネルで全然OK。
多少値段が高くても高画質!という方がIPSを選べば良いと思います。
インチ数と湾曲モニター
インチ数でいうと24とか27とかそれ以上とか。
で、さらに液晶が湾曲してるモニターもありますね。
液晶サイズは座り位置と液晶の距離で選びましょう。
基本的にPCはキーボード/マウスの位置が固定なのでモニターまでの距離も近めで固定されます。
なので大きすぎるモニターは視線の移動量が増えて疲れてしまいがち。
長時間プレイが基本となるガチゲーマーほどサイズは基本的に24インチ(距離によっては27インチ)で画面端まで視界に入るようにしてるケースが多いと思います。
このサイズだと湾曲は必要なし。むしろ邪魔。
画質にこだわる方は没入感と迫力を求めて27インチよりも大きめを選ぶのもありです。
この場合は湾曲モニターの方がより視界を覆ってくれるので選択肢に入れても良いと思います。
ゲーミングモニターを選ぶ前に
ゲーミングモニターを選ぶということは主に高リフレッシュレートのモニターを選ぶということなので、ここまで読んで違和感を感じた方はもう一度考え直してみましょう。
4KやHDR対応のゲーミングモニターもありますが、4Kでは60fps+αくらいが今のところ現実的な限界。
そもそも高リフレッシュレートではないのでゲーミングの名に固執する必要はありません。
むしろガチ対戦タイトルでは高リフレッシュレートで安定させるためにゲームの画質設定は適度に落とすのが常識といっても過言ではないので、綺麗と速いの両立には限界があります。
また、ゲーミングモニターに高リフレッシュレートの映像を映し出すためには
「PC及びゲーム機側のスペック」をチェックしてください。
CS機においてはPS5/XBOX seriesXでようやく120fpsに対応しましたが、PS4やSwitchでは60fpsがMAXなのでゲーミングモニターを買う必要は特にありません。
PCにおいてはCPU/GPUの性能次第では目当てのゲームタイトルで思ったほどのfpsが出ない場合もあります。
モニターが高リフレッシュレートに対応していても映像の出力元が対応していないと意味はありません。
ゲーミングモニターの選び方
CS機の場合
CS機であればスペックは固定されてますから答えは簡単ですね。
PS5を例にするなら
ざっくり「120fps出力と4Kも対応(同時にとは言っていない)。ついでにHDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応。」ということなので
フルHD(1920×1080):120fps
4K(3840×2160) :60fps
をアッパーとして考えます。
理論上は4K120fpsも可能だと思いますが、これはあくまで出力上の規格の話。
現実的にはよほどペラッペラのクッソ軽いゲームでもない限り4K120fpsなんて出ないと思います。
でもそんなペラッペラのゲームを4Kで見ても意味はありません。
一応対応はしてますよ、くらいのことです。
(映画などの映像コンテンツはペラ一枚のムービーなので軽い。)
さらに言えば、ハード側が対応していてもソフト側が対応していないと意味がないので
4K60fpsもわりと厳しい数値です。
すべては開発側の努力と技術革新次第ではありますが、4Kでプレイしたくなるようなグラフィック重視の綺麗なゲームほど処理負荷は高い傾向にあり、実際は4Kなら30fpsでいっぱいいっぱい、というタイトルの方が多い可能性すらあるかも。
と考えれば、現実的に必要なモニターのスペックもイメージしやすくなりますね。
- せっかくの120fps対応機なので144Hz対応モニター。
- せっかくのHDR対応機なのでHDR対応モニターもあり。
- せっかくの4K対応機なので綺麗にこだわるなら4K対応モニター。
※4K60fpsは高リフレッシュレートではないのでもはや普通のモニター。
※4K120fpsの夢を捨てられないならそれはもう液晶テレビ。 - インチ数はプレイスタイルに応じてお好みで。
で、ゲーム用途に特化したガチゲーマーなら「フルHD/24インチ/144Hz対応/HDMI 1.4」で充分ゲーミングモニターとして使えます。
あとはお好みで画質を盛る感じ。
最低構成なら価格は¥20,000~
▶Dell Gaming Monitor 23.8″ S2421HGF
PCの場合
PCの場合はパーツの選択肢が広いのでもう少し複雑な話になりますが、
要は予算とプレイスタイルの折り合い次第です。
なお、PS5がリアルタイムレイトレーシングと高リフレッシュレートに対応したので
個人的にPCでこれを下回ることは考えません。
下回るくらいならPS5を買った方がコスパが良いので。
で、2021年はリアルタイムレイトレーシング対応のゲームが本格的に増えてくることが予想されるので
フルHD環境であればグラフィックボードはRTX3060Ti~RTX3070がおすすめ。
ゲーミングPCとしての予算はざっくり120,000~199,000円程度。
4K環境であればRTX3080~RTX3090および搭載ゲーミングPCが選択肢で予算は200,000~となります。
ターゲットとなるモニタースペックはHD環境で構築するなら
- 144Hzもしくはガチゲーマーなら240Hz対応も視野に。
- インチ数は24インチor27インチ。
- HDR対応は画質もこだわるならあり。
- パネルはTNで充分。IPSは予算と相談。
- 接続規格はHDMIなら1.4で120Hz(144Hz?)それ以上は2.0が必要、DPなら1.2以上。
ただしHDR対応ならHDMI2.0b以上(2.0aでも可?)、DP1.4以上。
27インチでHDRに対応すると¥30,000を超えてきます。
▶BenQ EX2710
4Kまではいかないけど高精細なら2Kもあり。
▶BenQ EX2780Q
4K環境で構築するなら
- DP 1.2で4K60Hz、1.3で4K120Hz、1.4でHDR対応。
- HDMIなら2.0で4K60fps。2.1でそれ以上。
- とはいえRTX3090でも4K60fps+αが現実的。
そしてもはや高リフレッシュレートではない。
となります。
特にHDMIの規格はとてもややこしく、さらに2017年以降はなぜか「バージョンを明記しない風潮」という謎ルールが存在するため非常にわかりづらい。2.0のaとbとか地獄w
なのでバージョンで判断するよりも「HDR対応」とか「○○Hz対応」とか明確に表記されているものを選んだ方がわかりやすい場合が多いと思います。
ざっくりこんな点に注意して、自分のプレイスタイルに合ったモニターを「現実的に」選びましょう。