PCゲーム入門~中級モデルとして10万円前後で購入できるコスパ最強ゲーミングPCが大人気です。
そして、10万円前後のミドルスペックゲーミングPCを支えるグラフィックボードの主役と言えば【GTX1660Ti】と【RTX2060 SUPER】。
今回は私のPCで1660Tiから2060 SUPERへの換装を行ったついでに、2つのグラボの性能差を測ってみました。
ベンチマークソフトだけでなく人気タイトルでのfps値比較も交えて比べていきますので購入の参考にしてみてください。
GTX1660TiとRTX2060 SUPERの概要
簡単にではありますが、まずは2つのグラボの簡単な説明です。

【上】msi RTX2060 SUPER VENTUS OC
【下】Palit GTX1660Ti
GTX1660Ti
NVIDIA製GPU『GTXシリーズ』の現行最上位モデルです。(2019年現在)
最上位と言ってもハイスペックモデルがRTXシリーズへ移行したため、立ち位置としてはミドルスペックの最上位=『ミドルハイ』って感じです。
最大の特徴は高性能と低価格のバランスに優れた超コスパ。
現行のPCゲームタイトル全般を余裕で動かし、それでいて1660Ti搭載のPCは10万円を切る価格設定。
もはや下位モデルや中古PCの存在意義をぶっ壊すバランスブレイカー的グラボです。
RTX2060 SUPER
NVIDIA製GPU『RTXシリーズ』の末弟RTX2060のスペックアップモデルです。
RTXシリーズはNVIDIAグラフィックボードの上位シリーズであるため、こちらもハイスペックの末弟モデル=『ミドルハイ』って感じのイメージですね。
最大の特徴は現行ではRTXシリーズのみに搭載されるRTコアにより『リアルタイムレイトレーシング』に対応していること。
今後対応ゲームタイトルが増えるであろうレイトレーシング機能を体感できるモデルの中では買いやすいモデルです。
ちなみに「RTX2060」はスペック的に格下、「RTX2070は2060 SUPERと同等性能」という立ち位置なのでRTXシリーズの下位モデルの中ではRTX2060 SUPERが最もおすすめ。
GTX1660Ti vs RTX2060SUPER ベンチマーク比較
実際に2つをベンチマークソフトで比較していきます。
使用するベンチマークソフトは、グラボの性能差を比べやすいメジャーベンチという事で『3DMARK』『FF15ベンチ』をチョイス。
PCスペック
・マザボ:ASRock B350
・CPU :AMD Ryzen5 2600
・メモリ:16GB
・電源 :600w 80PLUS Bronze
GTX1660Ti搭載で10万円を切るコスパ最強PC『GALLERIA RT5』。
※パーツ構成は購入タイミングによって異なる場合があります。
3DMARK ベンチ結果


3DMARK スコア
GTX1660Ti :6153(グラフィック:6234)
RTX2060 SUPER:8121(グラフィック:8780)
3Dグラフィックスの描画性能比較ベンチマーク「3DMARK」では
『RTX2060 SUPER』が 総合スコアで 1.32倍、グラフィックスコアで1.40倍という性能差を発揮。
FF15 ベンチ結果


FF15ベンチ スコア
GTX1660Ti : 8533(快適)
RTX2060 SUPER:10811(とても快適)
※設定は『標準品質』『FHD(1920×1080)』で計測。
比較的高負荷な環境でゲーミング性能を測れる「FF15ベンチ」では
『RTX2060 SUPER』が1.27倍という性能差を発揮。
基本性能ではRTX2060 SUPERが圧勝
2つのベンチマーク結果から、RTX2060 SUPERのほうがグラボの性能として勝っていることがわかります。
数値には1.3倍前後の差が出ていますから、計測誤差ということは無いでしょう。
ちなみにどちらもリアルタイムレイトレーシング機能は計測しておらず、基本的な描画性能差としての数値となります。
※計測環境、グラボ以外のパーツ構成などの影響で数値は変動する可能性があります。
GTX1660Ti vs RTX2060SUPER フレームレート比較
ベンチ結果だけでは性能差を具体的にイメージしにくい面もあるため、ここからは主要ゲームタイトルでの実際のfps値を比較していきます。
それぞれのタイトルにおいて画質の最高設定と最低設定で比較しています。
なおアナログ計測による主観も交えた結果となりますので数値は参考までに。
PCスペック
・マザボ:ASRock B350
・CPU :AMD Ryzen5 2600
・メモリ:16GB
・電源 :600w 80PLUS Bronze
GTX1660Ti搭載で10万円を切るコスパ最強PC『GALLERIA RT5』。
※パーツ構成は購入タイミングによって異なる場合があります。

言わずと知れたTPS覇権バトロワ『Fortnite』。
クロスプラットフォームであらゆる環境に対応するため、現行タイトルの中では比較的要求スペックが低いタイトル。
プレイ上は敵の視認性を上げるためにプロでもあえて画質を最低に近い設定にすることが多いのも特徴。
設定『低』では描画範囲内のオブジェクト数によってかなりバラツキはあるが、総じて高い数値で安定している。
設定『エピック』でもGTX1660Tiで概ね120以上、RTX2060 SUPERではさらに高い数値で比較的安定して動作する。

season3が再燃中の ヒーロー制3人チームFPSバトロワ『ApexLegends』。
軽快なキャラコンでゲームスピードが速いのが特徴。
フレームレートの上限を『なし』に設定しても144で頭打ちであることと、基本的に動作が軽いゲームだけあってGTX1660TiとRTX2060 SUPERのフレームレートにほとんど差はない。
すべての画質設定を『最高』に設定した場合に若干GTX1660Tiのフレームレートが落ちたが、正直体感上の違いはそこまで感じない。
画質設定に限らず、画面上をテルミットグレネードなどのエフェクトが覆うと瞬間的に100付近までフレームレートが落ちることがある。

ソロや数人での協力プレイが前提となるFPS PvEシューティング。
トゥーンレンダリングで描かれる独特の表現とぶっ飛んだ世紀末感が特徴。
画質設定『低』ではGTX1660Ti/RTX2060 SUPER共に70~110とフレームレートの振れ幅が大きく、両者の違いはほとんど感じなかった。
最高設定の『バッドアス』でも60~80と大きく数値が振れるが、若干RTX2060 SUPERの方が勝った。

要求スペックが高めの国産ハンティングアクション『モンスターハンターワールド』。
作り込まれた背景の自然表現が特徴で、PC版ではコンシューマー版よりも画質向上を期待するユーザーが多いと思われる。
画質設定『低』では若干RTX2060 SUPERが勝ったものの、どちらも遜色なくプレイできる。
画質設定『最高』では差が大きく開き、GTX1660Tiでははっきり体感できるレベルでカメラ振りなどの動きがもっさりする。
フレームレート比較寸評
私の手元にある人気タイトルを4本チョイスしてフレームレートの比較を行いました。
結果としては、もともとGTX1660Tiのスペックが現行主要タイトルに対して充分高いこともあってクリティカルな差が出なかったという印象です。
特にPvPの2タイトル『Fortnite』『ApexLegends』ではそもそものゲーム動作が軽いため、グラボによるフレームレートの差が少なくどちらも軽快動作が可能。
設定によっては144Hzの高リフレッシュゲーミングモニターの使用も現実的に考えられる数値です。
PvEタイトルである『BorderLands3』『MHW』の2本はどちらも作り込み重視で動作が重いタイトルですが、体感できるレベルでフレームレートの差が出たのは『MHW』の最高設定のみ。
MHWに関しては「あえてPC版を選ぶ」=「コンシューマー版よりも明確な優位性が欲しい」と考えればなるべく性能の高いグラボでプレイしたいところであるとも言えるでしょう。
GTX1660TiとRTX2060 SUPERの性能差とおすすめ
ここまでの検証から、グラボの性能としてはGTX1660TiよりもRTX2060 SUPERの方が明らかに基本性能が高いことがわかります。
が、現行の主要PCゲームタイトルをプレイするにあたってはGTX1660Tiでも必要十分なスペックを満たしており、体感上の差は感じづらいとも言えます。
※体感するには144Hz以上の高リフレッシュモニターなどハイスペックな周辺機器も必要になってきます。
よって入門~中級のゲーミング用途でGTX1660TiかRTX2060 SUPERで迷う場合は、最も明確な差である『リアルタイムレイトレーシング機能』の有無で決めるのがわかりやすいのではないでしょうか。
まとめると以下のようになります。
以下の人にはGTX1660Tiがおすすめ
- ゲーミング全般に必要充分な性能で、且つコスパ最強のグラボ(もしくはPC)が欲しい。
- リアルタイムレイトレーシング機能はとりあえず不要。
※以下は現行販売モデルのGTX1660SUPER。性能はTiとほぼ同等(ちょい下)。
以下の人にはRTX2060 SUPERがおすすめ
- リアルタイムレイトレーシング対応のゲームタイトルを快適にプレイしたい。
- 手の届く価格帯で少しでも性能を盛っておきたい。
以下の人にはRTX2070 SUPER(以上)がおすすめ
- 4Kでのゲームプレイやメディア鑑賞にも使用したい。
- グラボ2枚挿しで究極性能を実現したい。
- 予算には大幅に余裕がある。