一時期のマイニング需要+在庫枯渇で「グラボが買えない!」という地獄の時期は過ぎ、GeForce LHR版の市場投入などを経て在庫不足は解消。
「ようやくグラボが買える時期が来る!」と思ったら、なぜかグラボ価格は値上がりしたまま高止まり。
じゃあ、グラボ価格の正常化はいつ?
高いままでもお得に買う方法はある?
という疑問について考えていきましょう。
グラフィックボードの価格は値上がり前の約2倍
マイニング需要でグラボが買い漁られ、在庫不足と転売需要で価格が高騰したのがだいたい2021年初頭から。
で、どのくらい価格が高騰しているのかというと、約2倍で2021年末現在も高止まりしている状況です。
例として、私が2020年10月発売と同時に購入した『RTX3070(MSI VENTUS 2X OC)』は当時約7万円。
これが価格.comで最終的に在庫が確認できた8月時点で約14万円。
現在も入手可能なLHR版(グラフィック性能は同等だがマイニング性能を制限したver.)では少し落ちて約11.5万円。
▶RTX3070(VENTUS 2X OC)の価格推移(価格.com)
1年前から継続販売しているモデル『GTX1660SUPER(AERO ITX OC)』で比較すると、価格高騰前の2020年12月時点で約2.5万円だったものが2021年11月現在では約5万円となっています。
▶GTX1660SUPER(AERO ITX OC)の価格推移(価格.com)
ゲーミングPCの価格も同様に高騰中
グラフィックボードが値上がりしたままということで、当然グラフィックボードを搭載したゲーミングPCの相場価格も値上がり状態が続いています。
例として、今から1年前の2020年後半では
CPU:Ryzen5 3500
GPU:GTX1660SUPER
メモリ:8GB(キャンペーン時は16GB)
ストレージ:SATA SSD 500GB
程度の入門〜ミドルスペックPCと呼ばれる構成では約10万円が相場でした。
が、2021年11月現在、この構成に近いドスパラ『GALLERIA』を見ると
CPU:Ryzen5 3500
GPU:GTX1660
メモリ:16GB
ストレージ:NVMe SSD 500GB
という構成で約14万円となっています。
▶GALLERIA RM5R-G60 詳細ページ(ドスパラ)
在庫状況や主流となるパーツ構成の変化によって、グラボは1660SUPERの下位モデルである1660になっている点、またメモリやストレージも若干構成に変化がある点でイコールの比較ではありませんが、ほぼ同性能で同じターゲット層を見据えた入門〜ミドルスペック帯のゲーミングPCが1年の間に一定の値上がりをしているという状況が見てわかります。
かなりザックリ言うと、この値上がり分の約4万円のうちほとんどがグラフィックボードの価格高騰分にあたります。
例)GTX1660SUPERは1年で約2.5万円から約5万円に高騰。
例)Ryzen5 3500は1年で約1.6万円から約2万円に高騰。
【おまけ】ついでにTSUKUMOで超お買い得モデル発見w
と思ってBTO各社のミドルスペックモデルを調べてたら、TSUKUMOに価格設定が割とぶっ壊れたヤツを見つけましたw
CPU:Ryzen5 3500
GPU:RTX3060
メモリ:16GB
ストレージ:NVMe SSD 500GB
この構成で約14.5万円なのでかなり最安の雰囲気です。
▶G-GEAR GA5A-D210/T 詳細ページ(TSUKUMO)
グラフィックボード価格高騰は2022年も継続の可能性大
「グラボが高すぎて買えないから値が落ち着くまで待とう」と考えている方も多数いらっしゃると思いますが、現在の状況を見る限りでは2022年も価格の高騰は継続する見込みが高いというのが一般的な予測です。
グラボ在庫は復活しているのになぜ?という疑問はもっともですが、簡単に言えば以下のように考えられます。
当初のグラボ価格高騰の原因は、急増するマイニング需要に対して在庫が不足し、少ない在庫を転売などを介して札束でぶん取り合ったことがきっかけでした。
が、在庫がある程度復活した現在でも仮想通貨相場が高止まりしているためマイニング需要はそれほど減っておらず、価格設定を下げなくても一部のユーザーが買い支えてしまうためメーカー側が初値を下げる必要がないという状況が続いています。

さらに、マイニング需要からは外れているはずのLHR版すら値が落ちてこないのは正直ちょっと不自然では?と素人ながら感じてしまうところですがw
そしてさらに輪をかけて、コロナ禍での物流の鈍化や半導体不足といった「不安」が価格の高騰に説得力を持たせてしまっているのでは?といった感じです。
(あくまで個人的な感想です)
じゃあいつまで待てばグラボの価格高騰は落ち着くのか。
これはユーザーレベルでは誰にもわからない、というのが正直なところでしょう。
グラフィックボード価格高騰中はどう買うのが賢い?
グラボが多少高くても気にせず買います。という富豪は置いといて、一般的なゲーマーとしては以下のような考えも選択肢に入れた方が良いのではないかと。
1.価格高騰分はマイニングで補填する
仮想通貨が高騰しているからグラボが高いということは、買ったグラボでマイニングしたら取り返せるじゃん。
ということで、高騰したグラボ価格にはマイニングによる期待値も乗っかっているという考え方ですね。
安直なようですが割と実現可能な考え方で、マイニングは素人でもとっても簡単に行うことが出来ます。
実際、私はメインで使っているRTX3070とサブで使っているRTX2060SUPERで、PC不使用時にマイニングを走らせています。
ゲームや各種作業で1日の半分を専有、残りの半日をマイニングというバランスで、電気代などのコストを除いても月に1万円強の利益が出ているという状況なので、うまく行けば次のグラボ買い替え費用くらいは賄えるんじゃないかと思ってます。
マイニングだけで生活できるレベルの収益は素人には不可能ですが、高騰したグラボの購入費用の補填程度であれば割と簡単に実現できますよ。
(ただし仮想通貨の相場変動や電気代の値上がりなどのリスクもあるので自己責任です)
マイニング併用を考える場合の注意点
一応注意点もありまして、マイニング併用を前提に考えるならLHR版は除外して考えないといけません。
LHR版(ライトハッシュレート版)とはマイニング性能を抑えたグラフィックボードを指し、
当然マイニングに使用しても大した利益を出せません。
そうなると大半のモデルをLHR版に置き換えたNVIDIA製グラボ(RTX及びGTXシリーズ)は選択肢から除外し、AMD製のRADEONシリーズが購入の選択肢になります。
RADEONシリーズはマイニング性能が高いため単体購入では現在でも在庫の枯渇が続いていますが、ゲーミングPCとして組み込まれたモデルならまだまだ買いやすいと思います。
▶GALLERIA×AMD搭載モデル スペシャルサイト(ドスパラ)
2.価格が落ち着くまでAPUで代用する
これはヘビーゲーマーには向かない方法ではありますが、APU(グラフィックチップ内蔵CPU)で代用するという方法もあります。
特にAMD製Ryzen『G』シリーズに限った話ですが、Ryzen『G』シリーズに採用されているグラフィックチップ「Radeon™ Graphics」の性能が、一昔前のIntel内蔵グラフィックスのイメージからは想像できないほど高性能になっています。
2Dゲームならなんの不安もなくプレイできますし、流石にゴリッゴリのハイエンド3DCGゲームは無理でも定番の「Minecraft」や今人気の「VALORANT」ならfps120オーバーで動くのでライトゲーマーレベルであれば本当におすすめの選択肢だと思います。
今後のグラフィックボードの価格推移にも注目ですが、2022年中にローンチ予定の各社CPU(APU)の進化はもっと目を見張るものになるんじゃないですかね。
そのうちグラボなんてなくても普通にPCゲームが出来るようになるのでは?というレベルで。