最新RTX4000,13世代Core,Ryzen7000 電力全開でぶん殴ることは本当に進化なのかという違和感

  

2022年末のCPU/GPU最新モデルは消費電力に注意が必要

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最新最強「Intel Core i9-13900K」の消費電力

2022年10月に発売を開始し圧倒的な高出力でハイスペックマニアを唸らせる13900Kですが、その消費電力の大きさにも着目してスペックを見てみましょう。

Core i9-12900KCore i9-13900K
開発コードAlderLakeRaptorLake
コア/スレッド16コア(P:8 E:8)
24スレッド
24コア(P:8 E:16)
32スレッド
基本クロック3.2GHz3.0GHz
最大クロック5.2GHz5.8GHz
合計L2キャッシュ14MB32MB
ベースパワー125W125W
最大ターボパワー241W253W

スペック上、13900KはL2キャッシュが倍増しゲーミング性能を大きく盛ってきたことがわかります。
またコア数を増やしてマルチコア性能を盛り、競合であるRyzenに対抗してきたであろうことも読み取れます。

が、実はこのAlderLake世代とRaptorLake世代の間には製造プロセスなどの根本的な技術革新はなく、コアとメモリを積み増しして大電力でぶん回すという圧倒的な力技による性能アップが図られた”だけ”の進化であることも読み取れてしまいます。

消費電力増→出力増は「あたりまえ」

素人考えですが、技術的な進化といえばなんとなく『同じリソースからより高い効果を生み出す』ような変化を想像します。

実際CPU/GPU界隈でも過去の歴史としてこのような進化を繰り返してきました。
例えば、製造プロセスのサイズダウンにより単一面積あたりの回路密度=処理能力を上げ、回路長の短縮により伝送時間を短縮し消費電力を抑えることに成功するような。
実際にAMD Ryzenは製造プロセスを10nm→7nm→5nmと進化させることで一時的にIntelの牙城を脅かすまでの快進撃を繰り広げました。

このような進化に比べて13世代Coreの「電力増やしてパワーアップしました!」という設計思想は、「でしょうね。」としか思えない違和感を感じざるを得ません。

もちろんコスト度返しで最大出力のロマンを追い求める方にとっては最新最強であることに代わりありませんし、「最強!ドヤッ!」な記事や動画で拡散されれば見栄えも良い。
Intel的にも12世代から13世代への変化はソケット形状を共有するマイナーチェンジ的な意味合いも強いであろうことは理解していますから、私が感じる違和感は”貧乏人のひがみ”と言ってしまえばそれまでのことなんですが。

消費電力の過度な増加は冷却や電源など周辺パーツの構成にも直結するので安く自作したいジサカーにとっては結構大きな問題でもあるんですよね。

CPU各モデルの性能/消費電力比についてはこちらのサイトが非常にわかりやすいのでリンクを置いておきます。
「Core i9-13900K」「Core i5-13600K」ざっくり評価【性能比較】(他サイト)

AMD Ryzen7000シリーズ、GeForce RTX4000シリーズは?

同じく2022年末商戦に駆け込んできたAMDとNVIDIAの状況はどうでしょうか。

AMDは新規格の導入コストで苦戦

天下のIntelが電力全開のパワー勝負に出た一方、競合のAMDは定格電力の増加もありつつもRyzen7000シリーズでZen4世代へ技術的、設計的進化を遂げています。

が、残念ながらRyzen7000シリーズは長らく使い続けたAM4ソケットからAM5ソケットへの乗換モデルであるために、導入のための周辺パーツ(マザーボードやメモリ)にかかるコストが上乗せされてしまい、Intelにコスパで対抗してきたイメージとはかけ離れてしまったせいで思ったほど売上を伸ばせていない状況らしいです。

RTX4000シリーズは正当進化?

GeForce RTX4000シリーズは先陣を切ってフラッグシップモデルのRTX4090が市場投入されました。
RTX4090の定格電力は450W、前モデルRTX3090の350Wに対して約30%上昇。
グラフィック性能でも約30〜40%の伸びだと言われているため正直そこまでのインパクトはありませんが進化は進化でしょう。

残念なのはコネクタの溶解や発火といった発熱トラブルが騒がれていることですが、4080、4070と下位グレードの買いやすいモデルが投入されたときにRTX4000シリーズの本当の評価がくだされるのかもしれません。

オーバースペック傾向がさらに消費を鈍らせている?

ここまで消費電力の面でいろいろ言ってきましたが、それでもゲームやクリエイティブのために必要なスペックなら迷わず最新モデルを購入したいんです。

が、私自身、なぜか2022年末の新モデルラッシュでは食指が動かず、いまだ何も購入していません。

で思ったんですが、ぶっちゃけすべてオーバースペックじゃないですか?と。

私のメインPCはRyzen5 5600X&RTX3070で、ゲームも動画制作もあれもこれも、現状全く不足を感じないんですよね。

で、期待して待っていた新モデルは電力全開のパワータイプ。
電気代が値上がりして大変なこの時期に。
脱炭素?とかいって電力が不足しているこの時代に。

さらに世界的インフレ&円安&日本のスタグフレーションの影響でそもそも価格設定が高いときて、不要なオーバースペックをわざわざ入手する必要性が感じられないんじゃないかと。

値下がりした旧モデルが魅力的

新モデルが不要なオーバースペックであるならば、値下がりして買いやすい旧モデルが魅力的に見えるのも必然です↓