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【VG258QR-J】ASUS製フルHD165Hzゲーミングモニターレビュー【PS5 120fps対応】

ゲーミングデバイス

ASUS製フルHD165Hzゲーミングモニター『VG258QR-J(Amazon販売モデル)』について、ASUS JAPANからレビューする機会をいただいたので書いていきます。
わりと正直に、現実的な目線で書きますので購入の判断の参考にどうぞ。

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PS5の120fps出力にも対応しています

大事なことなのでまず最初に言っておきますが、VG258QR-JはPS5の120fps出力にも対応しています。

PS5販売当初は対応していませんでしたが、2021年4月に適用されたPS5本体のファームウェアアップデートにより、120fps出力が可能になりました。

Amazonレビューやネットの過去記事で「非対応」とする記述が多数残っているためややこしいですが(私も惑わされましたがw)、しっかりばっちりPS5 120fpsに対応しています。

なおこの記事では私のテスト環境の都合で、主にPCでの使用を前提としてレビューしています。

結論:VG258QR-Jを買うべき人

モニターには画面サイズ、解像度、リフレッシュレート、調整機構、パネルの種類など多岐にわたる違いがあるので、まずは自分がどのようにモニターを使いたいかという『用途』を把握し、その用途に適しているモニターを選ぶのが正解です。

で、VG258QR-Jについては結論、
『FPS系ゲームタイトルをメインに』
『画質よりもフレームレート重視』
『コスパも大事』

という方に適したモニターだと言えます。

逆に言えば
『フレームレートよりも画質と没入感が最重要』

という方にはあまり適していないモニターです。

この理由を以下で解説&レビューしていきます。

VG258QR-Jのスペックや機能について

24.5インチ フルHD(1920*1080)

PCではほとんどの場合マウス/キーボード操作が前提となるため、ユーザーとモニターの位置関係はほぼ固定されています。
デスクの大きさにも影響されますが、概ね目からモニターまでは60cm前後?でしょうか。

で、そのような環境で画面の端から端までを視界に収めておこうとすれば画面サイズは24~27インチ程度が適正となり、実際に売れているモニターの主流はこのインチ帯です。

当然画面サイズが大きくなればなるほど視界を大きく占有することになるので「没入感」は増していきますが、FPS系のゲームでは画面端のUI情報なども視界に捉えておく必要があるため没入感よりも「プレイング」を重視するのであればこのサイズが適しています

解像度に関しても同様で、画面サイズを大きくするなら解像度も欲張りたいですが24.5インチならフルHDで見た目の不満を感じることはまずありません。
解像度を大きくする=描画負荷が増してフレームレートが落ちるということでもあるので、24.5インチでFPS系のゲームをプレイする上ではフルHDで適正だと思います。

ただしPS5等の「パッド(コントローラー)操作」を前提とする場合はモニターとの距離関係が変わってくる場合があります。
PC(マウス/キーボード)よりもモニターとの距離が開きがちな方は一回り大きい27インチも選択肢に入れたほうが良いかも知れません。

TNパネル 視野角:水平170°/垂直160°

ザックリ言うとTNパネルはキレが良い(応答速度が速い)。
ザックリ言うとIPSパネルは発色が綺麗で視野角が広い。
というのが通説で、実際もその通りだと思います。
(製品自体の質によっては両立するものもあるが当然価格も高い。)

で、VG258QR-Jに関してはTNパネルを採用しているため応答速度が速く、FPS系のスピーディーな展開に適した選択ということになります。
スペック上の応答速度は『0.5 ms(最小値)/ 1ms』なので、ゲーミングモニターとしても標準~ちょっと優秀くらいの数値ですね。

また視野角に関して言えば、PCゲーム(マウス/キーボード操作)はプレイ時の姿勢が固定されるためそもそも画面に対して正対した位置をキープすることになり、視野角が多少狭かったとしてもあまり関係がなく、TNパネルといえどもデメリットとして考える必要は無いでしょう。

例えば画面サイズがもっと大きい場合は画面端の色が褪せて見えたりすることもありますが、24.5インチでは気にするほどの角度差は生じません。
例えばリビングで家族全員で桃鉄をプレイする場合には視野角は広い方がいいですが、そんな用途であればもっとサイズのでかいIPSパネルのモニターや液晶テレビを選ぶべきです。

画質とGameVisual機能

画質に関してはほぼ主観ですが、VG258QR-Jを使用した感想として画質や発色に関してはかなり素直な方だと思います。
当然2Kだとか4KだとかIPSだとか、綺麗さに関して明らかに上位スペックのモニターとは比べられませんが、一般的なフルHDモニターとの比較で劣ることは無いんじゃないかと。

個人的には過去のモニター遍歴的にTNパネルの高リフレッシュレートモニターってジャギや色むらを出さずに落ち着いた色味まで調整するのに結構手間取ることが多い印象だったんですが、VG258QR-Jに関して言えばほぼ明るさを抑えただけで違和感のない色味に落ち着けることが出来た感じ。(過去のモニターのクセが強かっただけかも?)

コントラストや彩度などの調整は個別の項目を弄らずにGameVisual機能(複数のプリセット)から好みの画質を選べば大きな調整の方向性が簡単に探れるのでかなり便利です。
『シーン』『レース』『映画』『RTS/RPG』『FPS』『sRGB』『MOBA』の全7種のプリセットが用途別に設定してあるのでいろいろ試しつつ。

ちなみに「GameVisualDemoMode」という表示モードを使うと画面を2分割した状態でGameVisual機能のON/OFFを比較することが出来るので、調整作業がしやすかったというのも評価ポイントですね。

画面を分割した状態で設定の違いを確認できる

外観デザイン

特に奇抜なこともなく、無駄に光ったりすることもありません。
背面はASUSのロゴ、足には左右角度の調整メモリに赤い指し色がある程度で、基本は黒一色のシックな見た目。
プラスチックシェルは細かい凹凸がついた質感で安っぽくもなく、指紋も残りません。
ちょっとしたモールドデザインが入っていてわりと男前、台座はフラットで安定感あり。
ベゼルが狭い(実測で7~8mmくらい)のでマルチモニター使用でも野暮ったくなることはありません。

大きな特徴は無いけど嫌味なところも無く、総じて好印象といったところ。

上下角度調整 左右角度調整 高さ調整 ピボット回転

画面の物理的な調整機構については大満足です。
PC環境に関して画面と視点が正対位置であることについては先にも述べましたが、この位置関係を正しくセッティングするには充実した調整機構が必要不可欠です。

上下角、左右角、高さの3点についてはゲーミングモニターであれば装備されていることが当たり前とも言えますが、それぞれの調整作業がごく軽い力で、且つしっかりとホールドされるイイ感じの(語彙力w)扱いやすさなのはかなり好印象。
オシャレ重視で華奢な足しかついていない耐震性ゼロなゲーミングモニターも見かけますが、VG258QR-Jはどっしりと安定感のある土台を採用していることが調整機構にも有利に働いているんじゃないかと思います。

充実の角度調整機構

ちなみに、ピボット回転によって画面を縦にすることも可能ですが、正直これはどっちでもいいかな?という印象。
画面を縦にして使いたいのってサブモニター用途の方が多いのでは?
でもサブモニターだったら165Hzは要らんよね?と思うので・・・。

もっと高性能なモニターが欲しくなったらVG258QR-Jをサブモニターに転用して縦画面。
そんな日が来るかどうかは今のところわかりません。

DP1.2×1 HDMI1.4×1 DVI-D×1

映像の入力端子は3系統搭載されています。

背面端子 左から電源、DVI、HDMI1.4、DP1.2、3.5mmステレオミニIN/OUT 

DisplayPort1.2・・・
フルHD(1920*1080)で240Hzまで対応しているので165HzのVG258QR-Jに対して必要充分な端子です。

HDMI1.4・・・
HDMI1.4は144Hzまで対応。
ですが、自分の環境ではさらに下がって120Hzが設定のMAXでした。
(ケーブルとかグラボ側の端子とかなんやかんや原因は考えられますがここでは追求せず)
なのでVG258QR-Jのストロングポイントである165Hzを活かすことは出来ません。

ただしPS5の場合はHDMI接続でも120fpsを満たせるので問題なし

DVI-D・・・
自分にとってはもう使わないので不要な端子ですが、一応144Hzに対応しているらしいです。

結果、165Hz対応のVG258QR-Jの性能をちゃんと使い切りたいならDisplayPortで接続しましょう
ちなみにDisplayPortはHDMIと違って規格がとっ散らかっていないので、端子やケーブルの規格によるトラブルも少ないと思います。
一般的に出回っているDPが1.2なのでVG258QR-Jを使用するにあたってはほぼ意識する必要なし。
(接続ケーブルはDP×1、HDMI×1が同梱されています。)

背面ステレオスピーカー(2W×2W) 3.5mmステレオミニジャック(入出力)

3.5㎜ステレオミニジャック(出力)が搭載されているので、音はPCからDPなりHDMIなりでモニターに一旦出力し、モニターからヘッドホンに取り出すことが出来ます。
音声はPCから別ラインで(オーディオインターフェースなどを介して)スピーカーやヘッドホンに引っ張っているという方も多いと思いますが、選択肢の一つとしてはあって嬉しい端子です。

ただし背面スピーカーだけはぶっちゃけ無駄かな、と。
なぜなら、背面スピーカーって音がダイレクトに耳に届かないんですよね。
もともとスピーカーの性能がそれほど高くないうえに、壁など周囲の反射物に跳ね返って届く音なので拡散したスカスカの音しか聞こえません
背面スピーカーは薄型液晶テレビなんかでもよく採用されますが、音質の良い背面スピーカーって聞いたことが無いような。

背面スピーカーの開口部はスリットデザイン

それでも選択肢の一つとしてあっても良いのかな?とも思いますが、そもそも165Hzの高リフレッシュレートモニターを必要とするレベルのガチゲーマーってヘッドホンやイヤホンで音を聞きますよね。
FPS系のゲームって音の定位が命綱ですし。

まぁ背面スピーカーがあることでマイナスにはなりませんが、取っ払うことで販売価格がちょっとでも下がるならその方がありがたいのでは?なんて思ってしまったり。

GamePlus

実はVG258QR-Jの機能の中で『GamePlus』が個人的にはツボでした。

GamePlusとは
『十字線(画面中央の照準)表示』
『タイマー表示』
『FPSカウンター』
『画面整列(マルチモニターセッティング用の目安表示)』

の4機能のことを指し、各社ゲーミングモニターの中でもわりと個性的な機能だと思います。

特に『十字線』が有能で、モニターの中央最前面に照準マークを表示できるので、非ADS時に照準が表示されないゲームタイトル(タルコフとか)でも常にエイムラインを意識してプレイすることが出来ます。
(一応、ハードウェアチートにあたるかどうかは個々人でご判断ください)

画面中央にセロテープを貼ってマジックで点を打ったり、市販の照準マークシールを貼り付けるといったアナログな方法を使い続ける方も多いと思いますが、ゲーム時以外にものすごく邪魔なんですよね、アレ。

GamePlusの照準表示 マークは複数から選択可能

次点で『FPSカウンター』もわりと使える機能で、PC側でfps表示を設定しても基本的にはPC出力時のフレームレートしか確認できないのに対し、この機能ではモニター側で実際に描画されているフレームレートを確認することが出来ます。
そんなに使う場面は多くないんですが、例えば端子やケーブルの規格にそったフレームレートが本当に出ているかどうかといった目安になるのでトラブルシューティング的な活用も出来るんじゃないかと。

ちょっと大げさですが、GamePlus機能だけでもFPSゲーマーには意味のある選択肢になるんじゃないかと思うレベル。

各種操作は背面スティック&ボタンで

FreesyncとG-sync

VG258QR-JはFreesync PremiumG-sync Compatibleに対応しています。

どちらもティアリング(ちらつき、ズレ)やスタッタリング(カクつき)などの現象を抑える機能で、FreesyncがAMD、G-syncがNVIDIAのテクノロジーということになります。

Freesync Premiumは「Freesync」<「Fpeesync Premium」<「Freesync Premium Pro」と3段階存在するグレードの中の真ん中。
G-sync Compatibleは「G-sync Compatible」<「G-sync」<「G-sync Ultimate」と3段階存在する中の下位グレード。

私はRTX3070環境でVG258QR-JをテストしたのでG-sync Compatibleの恩恵を受けたことになりますが、165Hz表示でティアリングやスタッタリングは確認できず、高リフレッシュレートの滑らかでストレスのない画面表示を堪能できていると思います。
とはいえ、過去に144HzでFreesyncのみ対応のモニターを使用していてもそこまで画面のちらつきに悩まされたことは無いので本当にG-syncの恩恵なのかどうかは分かりませんが。。。
何にせよ画面がちらつかないのは良いことですw

もっと詳しく知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。かなり詳しく説明されていて勉強になります。

応答速度とExtremeLowMotionBlurとGameFast

その他機能についても軽く触れておきます。

モニターの応答速度とはザックリ言うと画面表示の信号を受けてから実際に表示が完了されるまでのタイムラグのようなもので、数値が小さい方が応答が速い=キレが良いということになります。
豆電球とLEDを同じ速度でON/OFFしたときに、豆電球はフワッと点いてフワッと消えるのに対しLEDはスパッと点いてスパッと消える、みたいなイメージ(だと思いますたぶん)。

VG258QR-Jの応答速度は『0.5 ms(最小値)/1ms』ということなので、同価格帯のゲーミングモニターの中では標準的~ちょっと早いくらいのスペックだと思っていいでしょう。

で、さらにASUS独自のExtreme Low Motion Blur技術によってより残像が残りにくい処理が為されているため、高リフレッシュレートの滑らさ+キレの良さで特にFPS系のゲームのような視認性が優位性に繋がるゲームとすこぶる相性が良い、ということになります。

また、GameFastとは端子に映像信号が入力されてから実際に表示されるまでのタイムラグを最小限に抑える機能で、結果的に手元の操作から画面への反映までのトータル遅延が少ないのでよりダイレクトなゲーム体験を実現できるという事らしいです。

で、これらの機能について「たぶん」とか「らしい」とかの言い回しを連発していますが、正直に言うとほぼ実感は出来ませんでした。
もともとが超高速(例えば165Hzということは1フレームは約0.006秒)の世界なので、相当シビアなレベルでしのぎを削るプロゲーマーならまだしも、私のような一般ゲーマー(かなりヘビィなほうだとは思いますが)が肉眼で見て実感できるレベルではないのかもしれません。
正直すぎてすみません。

とはいえ無駄ということは無く、これらの機能の有無はゲームを長くプレイすればするほど疲労などの形で蓄積して影響してくるでしょうし、ゲームの腕前が上がれば上がるほど必要となってくる確かな差でもあります。
FPS系のゲームでフレームレートを重視するのであれば、これらの機能を意識する意味はあると思いますよ。

VG258QR-Jは165Hzの中では機能充実で比較的買いやすい

いろいろ語ってきましたが、最後にVG258QR-Jは何を重視して、何を妥協して考えればお買い得なのかを整理しましょう。

高リフレッシュレートのゲーミングモニターで言えば概ね『144Hz』『165Hz』『240Hz』あたりが主なスペックの分かれ目になっています。

入門機としては144Hzでも充分だし、ハイスペックを求めるなら240Hzまで突き抜ければいい。
で、価格を抑えたうえで少しでもスペックを盛りたい場合に選択肢に入れるのが165Hzです。

165Hzの製品群の中でVG258QR-Jを基準とするならば、下は
『応答速度が遅い』
『画面の調整機構が少ない(上下角しか調整できない)』
『描画補助機能(G-syncやFreesyncなど)が無い』
『付加機能(照準表示など)が無い』

といった妥協点を飲み込めば~-5,000円くらいまでの価格帯のモデルがあります。

上は
『HDMI2.0以上の入力端子搭載』
『IPSやVAパネル採用で画質がよりキレイ』
『HDR(明暗の描画に優れた機能)に対応』

といった最新規格、最新機能を搭載することで~+20,000円くらいまでの価格帯のモデルがあります。

ということは、VG258QR-J
『プレイングに必要な応答速度や基本的な調整、描画機能は妥協しない』
『プラスアルファの高画質やHDRといった綺麗さは妥協できる』
といった趣向のプレイヤーにとっては必要機能が揃ってお買い得ということになると思います。

是非参考までに。