血中酸素飽和度が測れるスマートウォッチOPPO BandStyleをレビュー【spO2】

  

約4000円で買える良質フィットネストラッカー

突然ですが、スマートウォッチ(フィットネストラッカー)がいまいち一般化しないのは「便利さが認知されていないこと」と「価格が高いこと」が原因だと思います。(たぶん)

価格面で言えば、だいたい2~3万は覚悟する価格帯です。
そして安いスマートウォッチを探すと必ずぶつかるのは「202〇年最新版」と銘打ったメーカー名すら不明の中華製品。

ですが今回試したスマートウォッチは約4000円という低価格ながらここ数年でスマホ市場で頭角を現したOPPO製とあって、同じ中国製でも多少の信頼感があります。

となればあとは機能面。
と言うことで、購入から1週間使用した状態でレビューしていきます。

Huawei Band6との比較記事はこちら↓

フィットネストラッカーとスマートウォッチ
スマートウォッチとフィットネストラッカーの違いはよく分かりません。
現在販売されているものはどちらも「体調管理目的の各種測定機能」と「スマホ連動の通知機能」を備えており、実際、サイズ感やデザインがそれっぽいかどうか、という違いだけしかないように感じます。

血中酸素飽和度の測定が可能

コロナ渦で注目される「血中酸素飽和度(spO2)」の測定が可能であることがこのスマートウォッチのウリのひとつになっています。

計測結果はスマホ側のアプリで管理できる

血中酸素飽和度(spO2)とはその名の通り、体内における酸素飽和度の値を示すもので、新型コロナ感染症による肺炎症状の進行度合いを測る重要な指標として注目されています。
肺炎による酸欠状態は自覚症状が少ない場合があり、気が付いた時には即時入院が必要なほど症状が悪化していることがあります。(ハッピーハイポキシア)

そのため感染が確認されて自宅待機を命じられた際に、各種自治体から血中酸素飽和度測定器が貸与されるようになっていますが、感染者が急激に増える混乱時においては自治体の対応がどうしても遅れがちになることもあり、個人で血中酸素飽和度測定器を買い求める人が増えているようです。

そこに目を付けたのがスマートウォッチメーカー各社で、OPPO BandStyleもその一つとなっています。

スマートウォッチで重要視する機能は用途によって違う

レビューをする前に、スマートウォッチに対して求める機能は人それぞれだと思いますので私が重視する機能について軽く触れておきます。

私は主に「スマホの通知機能」を重要視しており、着信や通知が来るたびに「スマホをカバンやポケットから取り出して確認する」という一連の行動を「手首をチラ見する」という行動に置き換えることで得られる手間の省略を目的としてスマートウォッチを使用しています。
これは経験上ビジネス用途で強い効果を発揮し、会議中や通勤電車など行動の自由が制限される環境下でも重要な通知を見逃さず、且つ必要のない通知に対してアクションを取らずに済むという点で非常に優れていると感じます。

なお、フィットネストラッカーとしての体調管理や各種測定機能はほとんど興味がないので「そんな機能を充実させるくらいなら安くてバッテリー持ちの良いものを」と常々思っています。

過去に最も優れていたスマートウォッチは『Pebble』。
クラウドファンディングの「Kickstarter」から生まれたスマートウォッチで、同時期に話題をさらったAppleWatchが1日も持たないバッテリーで酷評され、ウェアラブル端末の期待度を大きく下げた時期でした。
が、Pebbleは電子インク方式を採用することで余裕で1週間は持つバッテリー効率を誇り、接続はBluetoothでAndroid/iOS両対応。
文字盤を常時表示できるので単純な時計としての使い勝手も抜群で、さらにデザインや通知のカスタマイズ性もサードパーティー製の連動アプリが山ほど公開されていたことで好き放題カスタムできるという神っぷりでした。そして価格は1万円前後。
が、フィットネストラッカー大手のFitbitに買収されてPebbleブランドは消滅。
未だにFitbitからPebbleの後継機が出ることを期待しては裏切られるという、不遇の名機です。

OPPO BandStyleのレビュー

OPPO BandStyleの外観

BandStyleはフィットネストラッカーなのでサイズ感はかなり小さめ。
当然液晶部も小さく、1.1インチしかありません。
装着した状態での運動を想定しているため邪魔にならないことが第一のデザインです。

サイズはかなり小ぶり

ベルトはオールラバーのシンプルなものと金属の装飾がついたものの2種類が付属しており、ウォッチフェイスはベルトの溝にカチッとはめるだけで装着できるので付け替えに工具は不要です。

全体的にシンプルで華奢なデザインなので、おそらく腕の細いかたの方が似合うと思います。
腕がごつい方、毛深いかたにはちょっとボリューム不足でアンバランスな見た目になりそう。

オールラバーのベルトはよりスポーティーに、リング付のベルトはすこし他所向きな印象で、私の腕にリング付は全く似合いませんでした。

OPPO BandStyleの接続

接続はスマホに専用アプリをインストールしてBluetoothでペアリングします。
1週間使用している間も接続が不安定になるようなことはなく、常に安定して接続されています。

OPPO BandStyle専用アプリ

スマホにインストールするアプリによってウォッチフェイスのカスタムや各種データトラッキングの設定、通知の有無などをコントロールします。

各種計測データが一覧表示される

しっかりと日本語化もされているのでアプリに従っていれば設定も用途も迷うことは無いと思います。

ウォッチフェイスのデザインも複数から選べる

OPPO BandStyleのバッテリー持ち

ウェアラブル端末ではなんだかんだ言っても最重要なバッテリー持ちに関してはかなり優秀です。

購入当日に100%に充電して使用開始し記事執筆時点でちょうど1週間経過しました。
この時点でBandStyleの充電残量は52%。

充電は本体をベルトから取り外して専用の充電器にセット

使用状況としては全てのトラッキング項目をオン、且つスマホの着信、メール、LINE通知もすべてON。さらに毎朝のアラームもON。

通知の頻度は人によって違うものの、このスマートウォッチで出来ることは全てONの状態での数値なのでバッテリーの持ちがデメリットになるようなことは全くないでしょう。

OPPO BandStyleの操作感

BandStyle本体に操作用のボタンは無く、すべての操作を液晶画面のタッチパネルで行います。
小さい画面なので「タッチする」「フリックする」「覆う」といった簡単な操作だけでコントロール可能で、言い換えれば複雑な操作を必要とする機能はそもそも搭載していない、ということになりますね。

OPPO BandStyleのトラッキング機能

フィットネストラッキングの項目は主に『歩数』『消費カロリー』『心拍数』『血中酸素飽和度』。
これらを常時監視してスマホのアプリに記録されていきます。

ただし血中酸素飽和度だけは睡眠中のみ定期的に計測され、日中に計測したい場合は手動で行うことになります。

計測の正確さについては正しく比較できる対象が無いので評価が難しいところですが、医療機器のような正確さはさすがに無いようです。

私(睡眠が苦手な体質)の数値を例にすると、睡眠中頻繁にspO2の値が90~92あたりまで落ち込みます。
で、これは医療用の機器であれば即入院レベルの数値です。
当然肺炎を発症した覚えはないのでイビキや無呼吸などが起こっている可能性はありますが、さすがにここまで低いわけは無いんじゃないかと。(今後突然死する可能性もゼロではありませんが)

だからと言って全くあてにならないというわけではなく、あくまで毎日の計測による相対的な変化を見て体調管理のひとつの判断基準とする使い方が合っているんだろうと思います。

単発の計測結果だけを見て絶対的な指標とすることは不向きだと思われますので過度の期待は禁物です。

OPPO BandStyleの通知機能

通知に関しては最低限必要なことは全て行える印象です。

電話着信、メール通知、LINE通知などすべてスマホ側の設定でON/OFFできますし、通知が遅れたり飛ばされたりすることもありません。

返信を返すなどの機能は無いので『見て確認する』だけの使い道になりますが、スマートウォッチとして最も必要で最も恩恵の大きい『通知のチェック』が手首に視線を落とすだけで行えるので不満はありません。

スマートウォッチには定型文を登録しておいて簡単な返信まで行える高機能なものもあります。さすがにサイズと操作の問題で文章を素早く打てるようなスマートウォッチは見たことがありませんが。

OPPO BandStyleの残念なところ

一点残念なところをあげるとすれば、文字盤の液晶表示がすぐに消えてしまうことでしょう。

バッテリーの持ちを考慮してのことだと思いますが、表示は最長でも10秒までしか選択できません。
なので通知後に少しでも時間が経つと画面は真っ暗。
確認するためには一度画面をタッチする必要があります。

右手がふさがった状態で左手首の画面を見る、という場合もかなりあるので、そのたびに右手を空けてタッチするという動作が少し煩わしいと感じます。

これは時間を確認するときにも同様で、普段は画面は消えた状態なので時間を確認するためには一度タッチする必要があります。

これは多くのスマートウォッチに当てはまるデメリットなのでBandStyleだけが不便なわけではありませんが、例えば手首を振るだけで画面を表示する、みたいな機能があってもいい気がします。
ちなみにPebbleは常時表示だった。

OPPO BandStyleの総評

使用一週間での評価になりますが、総評としては『72点』といったところでしょうか。

基本的にスマートウォッチに期待することは全て(最低限ながら)実現し、且つ約4,000円という低価格なので及第点ではあります。

フィットネストラッカーとしての機能を重視する方にとってはもっと評価は高いでしょうし、スマートウォッチとしての多機能を求めるなら別のものを購入した方が良いでしょう。

あくまで最低限の目的を激安で手に入れる。そして話題の血中酸素飽和度測定を試してみたい、という方にはおすすめできる製品です。

Huawei Band6との比較記事はこちら↓