2020年2月からMildom配信者の収益構造に大きな変化があるようです。
時給バラマキ戦略で知名度アップを狙った第一段階から、無駄な出費を省く第二段階へ早くも移行する模様。
これによりMildomで活動する無名配信者のメリットが無くなる可能性があるんじゃないかと思います。
この点について、現役実況者である私が推測込みで解説します。
Mildomは報酬権限を奪い合うランキング制に移行
2019年12月末まで、Mildomは報酬(時給500円)権限を付与する配信者を募集していました。
審査には一定の基準があったっぽいですが、権限を付与されてしまえば報酬発生のハードルはほぼ無いに等しく、フォロワー数や視聴者数などの成果は問わず単純に配信時間に応じて時給が発生するという太っ腹キャンペーンで大きく話題にもなりました。
そして2020年1月某日、私の元へ運営から『報酬権限アリ配信者にもランキング適用』の知らせが届きました。
メッセージの内容は長いので割愛しますが、ランキング制度を端的に表した画像があるので添付します。

簡単な説明は以下。
- 『公認配信者』・・・運営が認定する上位配信者の証。アーカイブを残す権利と高額報酬が与えられる。
- 『L1ランキング』・・・2月から新設される「報酬権限アリ」の配信者のランキング。詳細はのちほど。
- 『L2ランキング』・・・以前からあった「報酬権限ナシ」の配信者ランキングの名称変更。上位者へはランキング報酬とL1への昇格権限が与えられる場合も。
【追記】2021年現在ではL1ランキングは廃止され、配信者ランキングが適応されます。
ランクはS~Dに分割され、最低のD3ランクでは報酬は時給30円。
報酬をもらえる枠自体は増え「報酬をもらいやすくなった」とうたっていますが、まぁぶっちゃけモチベーションにはなりづらいですね・・・。
L1ランキングによって報酬権限アリ配信者は足切りされる
新設されるL1ランキングですが、簡単に言えばこれまでは野放しバラマキ状態だった報酬権限に制限をかける、いわゆる足切りです。
- 月ごとのランキング制度
- 上位(30位まで)は時給アップの恩恵あり
- 最上位(3位まで)は公認配信者へのランクアップ契約あり
- 下位(401位以下)はL2ランキングへ降格&報酬権限剥奪
注目すべきは401位以下の『降格制度』ですよね。
これまではMildom自体の宣伝や裾野拡大が目的でもあったため降格制度はありませんでしたが、ここにきて報酬権限の絞り込みが為されることになります。
『君には報酬を払う価値はないよ』というクビ宣告ですね。
降格制度自体は予想していたが実装時期は予想以上に早かった
ここからは私の主観たっぷりで書きます。
降格制度は当然の仕組み
まずは報酬権限の降格制度についてですが、これは当然あって然るべき仕組みです。
なぜなら、ゆるい条件で集めた報酬権限アリの配信者の中には『Mildomに利をもたらさない配信者』が相当数紛れているから。
要するに「金を払うだけ無駄な配信者」がたくさんいるってことですね。
では、Mildomが求める『利』とは何か。
これは普通に考えれば「配信者が外部サイトから連れてくるフォロワー」=『Mildomの新規ユーザー』ですね。
現状ではMildom内を回遊するユーザーはほぼ皆無で、各配信の視聴者=配信者のフォロワーという状況です。
各配信者を追ってMildomまで移動してきてくれたフォロワーがそのままMildomの新規ユーザーとなるわけで、そこに期待して報酬を払っている。
ということは、フォロワーを連れてこれない配信者(=視聴数が伸びない過疎配信者)はMildomの配信事業にとって無価値の配信者であり、金を払うだけ無駄、という理屈です。
当然ですね。
ちなみに、配信者に求めるもう一つの『利』としてコンテンツの拡充が挙げられます。
配信時間に応じて時給が払われるのはこのためで、せっかくサイト内にユーザーが回遊するようになっても見るべきコンテンツが無ければ意味がない。
顧客満足度を上げて定着を促す意味があり、ランキング制度の実装も競争によってコンテンツの質を高める狙いがあると思いますが、順番で言えばまずは顧客の増加が先であり、満足度は次のフェーズという事になります。
降格制度の実装は予想よりも早かった
これは個人的な予測の話ですが、正直、あと2~3ヶ月は降格制度の実装は無いと思ってました。
なぜなら、配信する側の実感としてはまだまだMildomにユーザーが定着していないから。
報酬権限を剥奪するという事は一般的に見てMildomのイメージを悪くします。
運営上必要な足切りだとしても、運営側の都合はユーザーや配信者から見れば関係はなく、単純に『方針を変えた』『資金が尽きた』という印象を与えてしまうからですね。
特にゲーム配信界隈はユーザーも配信者も年齢層が低くビジネス知識に乏しいので、運営の事情まで深読みして理解を示してくれる人は少ないでしょう。
そしてランキングを無理ゲーに感じてしまった配信者はどんどん活動の軸足をMildomの外に向けることになり、配信者格差が広がっていく可能性があります。
だからこそ、もう少し状況が上向くまではイメージアップ戦略を継続するものと思ってたんですが・・・。
まぁ裏目に出ないことを祈りましょう。
おそらく無名配信者は淘汰されていきます
ここからはMildomで活動する配信者の中でも「無名」と呼べる弱小配信者の行く末について考えていきましょう。
そのために、まずはL1ランキングのポイント獲得条件を見ていくと
- フォロワーポイント(新規1名=30pt)
- 配信視聴時間ポイント(1分=3pt)
- ギフトポイント(1コイン=1pt)
- EXTRAポイント(イベント等)
となっています。
フォロワーポイントの配点が高いのは先ほど説明した通りで、現状では「新規フォロワー=外部サイトから連れてきたフォロワー」という事になりますから、Mildomに人をたくさん連れてきた方が偉い!という事。
で、注目すべきは『配信視聴時間ポイント』です。
「配信時間」ではなく『配信視聴時間』となってますから、要するに視聴者数が多いほど倍々で積みあがっていくポイントという事です。
この点が意味することは、今までは配信時間(=配信者の努力)に応じて報酬を払ってきたが、これからは配信を視聴してもらっている時間(=配信者の人気)を評価軸としていきますよ、ということですね。
あえてもっとハッキリ言うと
視聴者を獲得できない配信者には報酬を払う価値が無いから降格させますよ。
という事で、要するに弱小配信者の淘汰です。
『無名配信者終了のお知らせ』と言って間違いないでしょう。
一応付け加えておきますが、これを見て『Mildomひどい!』と思うのは大きな間違いなので要注意。
サービスを継続するためには収益性と質の改善は必須項目であり、赤字部門は切り捨てていくのが当たり前。
今後は運営批判を繰り広げる配信者も増えると思いますが、自分の無知と無価値を晒すだけなので止めておきましょう。
今後のMildomとYoutubeの使い分け方針
現状Mildomで活動する報酬権限アリ配信者の総数がわからないので何とも言えませんが、上位400名に入れなければ降格という事は、無名配信者にとってはかなりシビアな椅子取りゲームになる可能性があります。
そして、この競争に勝ち残っても得られるのは時給500円。
勝ち残れなければどんなに頑張っても報酬0。
Mildomで配信することの唯一のメリットである時給が取り上げられたとしたら、正直無理ゲーじゃね?って感じがしますよね。
その点Youtubeでは収益化できる人数の上限なんて存在しないため、頑張ってコンテンツを作れば作るだけ収益という成果に近づける可能性があります。
そもそも現在のMildomランカーである公認配信者たちもYoutubeをはじめとする外部サイトで手に入れたフォロワーを連れてきた人たちであり、Mildom内でフォロワーを獲得したわけではありませんからね。
この事実を考えれば、これからゲーム実況で上を目指そうとする場合に注力すべきはMildomではない、という事が明らかです。
既に公認配信者として高額報酬をもらっている人がどのようなスタンスで活動を続けるかはわかりませんが、下が育たない環境では組織全体の成長も鈍化する可能性が高いのは事実でしょう。
そしてまだまだ無名である私は
『Youtubeを活動の中心に据え、時給が剥奪された時点でMildomは卒業』
という方針に転換しようと思います。
Mildom結構好きだったんだけどな・・・。