2021年5月にローンチされたバイオハザードヴィレッジはCAPCOMが誇るキラーコンテンツのナンバリングタイトルとしてその発売を待ちわびた人も多く、ストーリーやグラフィックのクオリティが高く評価されsteamでの評価も上々。
が、その反面3D酔いするプレイヤーが多発し公式がTwitterで3D酔い対策の設定方法をつぶやくなど残念な点も見えてしまいました。
この記事ではバイオハザードヴィレッジの3D酔いとその対策方法について書いていきます。
「3D酔いがひどくて快適にプレイできない!」という方はぜひ読んでみてください。
3D酔いが起こる原因
3Dゲームによる3D酔いの原因は主に「画面の揺れや動きと脳の認識のずれ」です。
特にFPS(ファーストパーソンシューティング)ゲームではユーザー視点=プレイ視点となるため、グラフィックがキレイになればなるほど脳はその空間をリアルに認識しようとします。
そして自分の立ち位置や視界、動作といったイメージをゲーム画面と重ね合わせていきます。
この脳のイメージとゲーム画面がリンクしていれば酔いは起こりにくく、ズレが大きければ酔いやすい、となるわけです。
例えば、3Dゲーム自体に不慣れな人が酔いやすいのは「拙い操作」と「脳内イメージ」によるズレの蓄積が大きいから、と考えればわかりやすいでしょう。
意志通りにカメラを操作できないため「見たい方向」「動きたい方向」と「視覚情報」がズレ続けてしまう感じ。
ですが、バイオハザードヴィレッジに関しては普段から3Dゲームをよくプレイするユーザーですら強い酔いを感じるようです。
ちなみに私もゲーム実況者として普段から長時間ゲームをプレイしているわけですが、バイオハザードヴィレッジの3D酔いはかなり強く感じ、頭痛や軽い吐き気を伴うレベルです。
バイオハザードヴィレッジの3D酔いの原因
厳密に言えば酔いを感じる原因や度合いは人によって違いますが、バイオハザードヴィレッジに関して言えば「視野角(FOV)」と「カメラワーク(演出)」にあると思われます。
視野角(FOV)による3D酔い
視野角(Field of View)はカメラレンズの画角を指します。
視野角が大きい(広角)場合は視点を動かさなくてもより広範囲が視野に入り、視野角が狭い場合は望遠レンズのようにより狭い範囲しか視野に入らないことになります。
適した視野角は人によって違いますが、一般的には普段人間の目で見る景色と近い方が快適です。
が、バイオハザードヴィレッジの場合はデフォルトの視野角が極端に狭い状態で、さらに設定で視野角を変えることが出来ません。
視野角が極端に狭いことで画面内に収まる周辺景色が狭くなり、プレイヤーの置かれている状況や接地感、対象物への距離感などの情報が得られにくくなります。
例えるなら常に望遠鏡を覗いた状態で生活しているようなもので、これでは酔うなと言う方が無理な話ですよね。
ちなみになぜバイオハザードヴィレッジの視野角がここまで狭いのか。
これはおそらく、視野が狭いことで周囲の状況を把握しづらくし、画面外に何かが潜んでいるかも、という恐怖心を煽る目的であると思われます。
が、名作ホラーゲームのすべてが3D酔いを誘発するレベルの視野角で構成されているかと言えばそんなことは全くありません。
同じ効果を狙うなら暗い世界で懐中電灯などを使用して視野を狭めるなどの手法もあるのですから、工夫無く視野角だけを狭めて強い3D酔いを誘発してしまったバイオハザードヴィレッジの恐怖感演出は明らかに『失敗』だと言えますね。
カメラワーク(演出)による3D酔い
FPSゲームでは多くのシーンでカメラ=プレイヤーの目線となります。
そのため、走ればプレイヤーの頭が揺れる→カメラが揺れる。
立ち止まって話をしていても相手を目で追ったり手元に視線を落としたり→カメラが揺れる。
といったように、カメラをぴったりと固定しないことでリアリティを演出する技法が用いられます。
このカメラの揺れ自体はそんなに問題のあるものではなく、むしろ3Dゲームでカメラが揺れないものを探す方が難しいレベルです。
が、バイオハザードヴィレッジの場合は先述の『極端に狭い視野角』があるため、カメラが揺れることでさらに3D酔いを誘発してしまうという現象に繋がってしまっています。
公式がツイートした3D酔い対策
長らく酔いの原因について説明したところで、ようやく具体的な酔い対策を紹介します。
まずはCAPCOMがTwitterの公式アカウントでつぶやいた方法。
それが以下の3点です。
- 画面を明るくする
- カメラの揺れをOFFにする
- 照準を目立つ色に変更する
画面を明るくするのは・・・よくわかりませんが、周囲の状況を把握しやすくするためでしょうか。せっかくのホラーゲームなのに。
カメラの揺れをOFFにするのはこれが直接的な酔いの誘発に繋がっているからで、照準を目立つ色にするのは「画面に明確な注視点があることで酔いを軽減する」効果があるからですね。
これらをすべて適用することで、多少の酔い軽減効果はあると思います。
すべてゲーム内の設定で簡単に行える方法ですのですぐにでも試してみてください。
ただし、ひとつ気になるとすればそれは問題の根本である「狭い視野角」が解決していない点。
これが解決しない以上はただの応急処置でしかありません。
3D酔いを解決するためとはいえ明るい画面で恐怖感を薄め、カメラの揺れを止めることで臨場感を薄め、照準を目立つ色にすることで没入感を薄めてしまうのはホラーゲームとしては正直微妙ですよね。
バイオハザードヴィレッジの視野角を変更する方法
バイオハザードヴィレッジは販売価格が高いので、3D酔いを気にしながら恐る恐るプレイするのは正直キツイ。
ホントは返金してくれるなら購入を取りやめたい。
けどそれは無理なので、残された道は3D酔いを解決してちゃんと楽しむこと、と考えると公式がTwitterでつぶやいた応急処置だけでは不十分です。
ということで、ここからはPC版限定になりますが『mod』を使用して視野角を変えてしまいましょう。
視野角変更modのダウンロード
まずは以下のリンクからmodをダウンロードしてください。
視野角変更modの使い方
まずバイオハザードヴィレッジを立ち上げ、その後にダウンロードしたmodマネージャーを立ち上げます。
mod機能の中に視野角変更用の『trainer』という項目があるので、ここでoverride FOVを『ON』に設定し、『Normal FOV(プレイ中の基本視野角)』と『Aiming FOV(エイム時の視野角)』を調整します。

デフォルトの視野角が80前後(だったと記憶してますが)ですが、おそらく一般的には100前後で調整した方がプレイしやすくなります。
以下は変更前と変更後の比較画像。


変更前が奥行きを感じづらいのっぺりとした画面(望遠効果)であるのに対し、FOV値を大きくすることで視野周辺が広くなり、奥行きや空間認識がしやすくなってかなり酔いにくくなります。
これでも酔う場合はさらに公式がTwitterでつぶやいていた対策3点を実行してみてください。
公式へ 視野角変更設定を実装してください
有志が開発したmodに助けられて、心待ちにしていたバイオハザードヴィレッジをようやく素直に楽しめるようになりました。
が、本来はアップデートなどでCAPCOM側が視野角設定を実装してくれるのが一番なんですよね。
今の時代のゲームソフトとしてはかなり高額な部類のキラーコンテンツですから、間違ったホラー演出を改め、ぜひとも修正アップデートをお願いします。