【スプラトゥーン2】オンライン有料化とともに話題にあがる『P2P通信』とは!?

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NintendoSwitchOnlineがついに有料化されます。

スプラトゥーン2発売当初から1年以上も無料で利用出来ていたので、いまさら有料化と言われてもぶっちゃけ違和感しかないんですが・・・。

で、この有料化に関しては賛否両論で、『否』側の意見として「スプラトゥーン2はP2P通信なのに有料化なんて馬鹿げている!!!」というのが代表的です。

チーターがXランキングを乗っ取ってまで訴える事件も発生してちょっと話題になってます。

ではこのP2P通信とはなんなのか、なぜ有料化に対する反対意見として持ち上げられるのか、といったあたりを簡単に解説していきます。

P2P反対を訴えるチーター

こんなXランキングの画像を見たことありますか?

anticheat01
anticheat02

画像を取得したソースが違うのでサイズが違ってますが、ともにチーターに占拠されたXランキングの画像です。

どちらも任天堂に対してのメッセージが名前に込められてます。

1枚目は『頼むからチート対策を強化してくれ』

2枚目は『P2P通信と不十分なチート対策で$20なんて勘弁してくれよ』

※私の意訳込みですがほぼ正確な訳かと思われます。

当然チート行為は許されるものではありませんが、この主張はぶっちゃけ共感するところが大きい。

1枚目はチート対策に関する言及のみですが、P2P通信はチートに弱い通信方式なので2枚目と求める結論は似ています。

2枚目はそのまんま、スプラトゥーン2にとって問題の多いP2P通信であることを棚上げにして利用者から金をとるのかい?ってことですね。

ではP2P通信の解説に行きましょう。

P2P通信とクライアントサーバー通信

P2P通信とは、『Peer to Peer通信』の略語です。

この『Peer to Peer通信』とは、クライアント(ユーザー)間で行う通信のこと。

P2Pと正対する『クライアントサーバー通信』と比較するとわかりやすいので、こちらから先に説明します。

クライアントサーバー通信とは

クライアント(ユーザー側)とサーバー(サービス提供側)で行う通信のことです。

例えば、最近流行のとある100人バトルロイヤルゲームで考えてみましょう。

クライアントサーバー通信とは、100人のユーザーが1台のサーバーに接続してゲームを遊んでいるイメージです。

100人のユーザーはサーバーに対してのみ通信を行い、100人の行動はサーバーに集約されます。

そして、この集約されたデータに100人それぞれがアクセスしてデータを参照することでゲームが進むため、100人が取得できるゲーム情報は基本的に等しいものになります。

ユーザーからの通信先はサーバーのみのため通信データ量も少なく、ユーザーのネット環境が安定していれば接続も比較的安定します。

P2P通信とは

では、上記の100人バトルロイヤルをP2P通信で行うと仮定してみましょう。

P2P通信とはユーザー間の通信であると書きましたが、これが100人バトルロイヤルだった場合は100人のユーザーが自分以外の99人に対して常に通信を行っているイメージになります。

すでに現実的ではありませんが・・・続けましょう。

全てのユーザーが相互の通信によって100人全員のゲーム情報を共有し、更新しあっている状態です。

そのため通信データ量が非常に大きく、通信環境も自分だけではなく各ユーザーのネット環境に左右されてしまうためラグ(通信誤差)が発生しやすいという弱点があります。

死んだ相手から弾が発射されて被弾してしまったり、しっかりヘッドショットで捉えたつもりが瞬間移動で逃げられてしまったりといった不具合もこのラグによってもたらされる同期ズレの症状です。

自分の画面で反映されている状況と相手の画面で反映されている状況がズレていて、それでもどちらかのあたり判定で結果を書き換えなければいけないから不自然なズレが起きてしまう、ということですね。

要するに、一瞬の先手を競うようなシューティングゲームにとってP2P通信は致命的な弱点を持っている、ということです。

P2P通信はチートに弱い

P2P通信はチートに弱いという弱点も持っています。

クライアントサーバー通信はユーザーデータがサーバーに集約されると書きました。

ということは、サーバー側にチート対策を施せば、アクセスしてくるチートプログラムを一網打尽にできる、ということでもあります。

(それでもチーター被害は後を絶ちませんが・・・)

しかしP2P通信ではユーザーデータを集約する点が無いユーザー間の通信で成り立っているという特性から、チーターが入り込めてしまう可能性がクライアントサーバーよりも大きいと言えるそうです。

スプラトゥーン2では、マッチング時に一度マッチングサーバーを経由しているため対策が全く不可能なわけではありませんし、実際にチート対策を施したアップデートも行われています。

が、対戦時の通信がP2Pである以上弱点は弱点として存在するのも事実です。

Xランキングを占拠したチーターは、自らの行動をもってこの弱点を指摘しているというわけです。

スプラトゥーン1よりもスプラトゥーン2の方が通信が遅い!?

スプラトゥーン1でも同じP2P通信方式が採用されています。

そして、通信量の大きさがネックになっていたため、2では通信量の削減が図られ、実際に通信量は減っています。

・・・じゃあどうやって通信データ量を削減したのか。

答えは、「単一時間あたりのデータ更新頻度を落とす」という方法だと言われています。

これは簡単に言うと、お互いの通信の中で行動や位置情報を共有しあう頻度自体を落としたということです。

てことは、同期ズレも起こりやすいってこと・・・?

通信量を減らすために対戦ゲームの品質を落としたってこと・・・???

なぜ任天堂はP2Pを採用するのか

オンライン対戦ゲームにとってデメリットが非常に大きいP2P通信方式を、なぜ任天堂はスプラトゥーン1・2で共に採用したのか。

本当の理由は任天堂に聞かなければわかりませんが、P2P通信には『コストが安い』というメリットがあります。

ここでいう『コスト』とは、任天堂側がサービスを提供するにあたってかかるコストの事ですね。

クライアントサーバー通信方式をとった場合、任天堂はスプラトゥーン2を提供するにあたって専用サーバーをたてて保守、運営をしていかなければいけません。

が、P2Pではこの専用サーバーにかかるコストが無い、というメリットです。

コレがP2P通信方式を採用した理由だとしたら、

『サービス提供コストを安く抑えた』→『ユーザーの費用負担も軽い』

となって当然のはずなのに

『サービス提供コストは安く抑えた』→『ユーザーはオンラインサービス有料化でさらに費用負担が増える』

というおかしな構図になってしまいますから、チーターが訴えている

『有料化するのにP2P通信のままってのはおかしいだろ!』

という主張も共感できる気がします。

自分はラグい?ラグくない? 回線の計測方法