マイクラ統合版がリアルタイムレイトレーシングに正式対応しました。
ということで今回は、リアルタイムレイトレーシング機能と対応する動作環境について学習していきましょう。
リアルタイムレイトレーシングとは?
ザックリ言えば
『光の表現がものすごく精彩で綺麗になる』
ということ。

直訳すれば『リアルタイム(即時描画)レイ(光線)トレーシング(痕跡をなぞる)』となるので何となくイメージしやすいでしょう。
3D表現には大きく2種類、「リアルタイムレンダリング」と「プリレンダリング」が存在します。
「リアルタイムレンダリング」とはその名の通り即時描画される3Dを指し、プレイヤーの操作に瞬時に反応して描画される3Dゲームは基本的にすべてリアルタイム3Dです。
対して「プリレンダリング」とはあらかじめ描画出力された3D画像を指し、レンダリングされた画像の連続描画によって動画化されています。
(最終アウトプットは2Dアニメと同じということですね。)
で、「プリレンダリング」は操作性を全く伴わない代わりに膨大な時間をかけてきれいな絵を出力できるのに対し、「リアルタイムレンダリング」は複雑な描画が出来ない代わりに瞬時に絵を出力できるので、その場の操作によって毎フレーム結果が変わるゲームに適している、ということなんですね。
最近ではハード側の描画性能が上がったことで「リアルタイムレンダリング」のクオリティが大幅に上昇し、数年前までは一般的だった『イベントシーンのみのプリレンダリング動画の挿入(いわゆるムービーシーン)』を見かけることが少なくなりました。
そんなリアルタイムレンダリング3Dでも最も描画負荷が高いものの一つが光線計算。
自然界で複雑に透過や反射を繰り返す光の進み方を瞬時に計算して描画することはとても困難であり、これまでは別の方法(テクスチャの書き込みや影の焼き込み)で類似する表現を高めてきました。
そして、満を持してNVIDIAが開発、搭載した「光をリアルタイムで精彩に表現する」機能が『リアルタイムレイトレーシング』だということですね。
Minecraftにリアルタイムレイトレーシングは必要?
これは
『Minecraftだからこそリアルタイムレイトレーシングの恩恵を最大限享受できる』
と言い切って間違いないでしょう。

先述の通り、リアルタイム3Dは複雑な光の計算の代用機能とともに進化してきました。
皮膚や服の細かな凹凸をテクスチャーに書き込むことで平坦なモデルに質感を与えたり、陰影を書き込むことで立体感を与えたり。
これはすべて、本当の光の当たり方、見え方を計算することが処理的に難しいからなんですね。
(一部ポリゴン数を節約するための機能もありますが。)
そして結果として、リアルタイムレイトレーシング機能を使わなくてもすでに一定以上のクオリティが表現できているということでもあるんです。
これらの代替表現で埋め尽くされているため、リアルな光線計算を上乗せしてもそこまで劇的な変化がない、と言えばわかりやすいでしょうか。
(当然効果はありますけどね。)
ではMinecraftはどうかというと、説明の必要がないほど素がシンプルです。
立方体のブロックと必要最低限の簡素なテクスチャーで構成された世界ですから当然ですね。
余計な視覚情報を省き、あえて中途半端な進化を踏まないことでプレイヤーの想像力を掻き立てるというコンセプトで作り上げられたビジュアルは、現在の3Dゲームタイトルのラインナップのなかで異色といえるほど簡素。
この思い切った簡素さがリアルタイムレイトレーシングの効果をぼかさずストレートに活かすためのキャンバスに最適なんですね。
2019年夏現在ではリアルタイムレイトレーシングに対応したゲームタイトルはほとんどありません。(BF5くらい?)
この状況でNVIDIAが機能の有用性を証明するために選んだパートナーがMinecraft。
これは先ほど述べた『シンプルなビジュアルだからこそ機能が活きる』という狙いがかなり大きかったんじゃないかと予測できますね。
Minecraftでリアルタイムレイトレーシングを使用するための動作環境は?

Minecraft統合版でリアルタイムレイトレーシング機能を有効に出来る動作環境は
『PC環境(Windows10版)でリアルタイムレイトレーシング対応のグラボを搭載している場合のみ』
となります。
残念ながら同じく統合版をプレイできるiOS/Android/Switch/Xboxoneは非対応なので、数か月後に実装されるであろうリアルタイムレイトレーシングを体感するにはPC環境への乗り換えが必要になります。
リアルタイムレイトレーシング対応のゲーミングPC
そもそもは高いPCスペックを必要としないMinecraftですが、リアルタイムレイトレーシングを有効にするにはNVIDIA製のグラボ『GeForce RTXシリーズ(20系および30系)』の搭載が必要になります。
RTXシリーズはNVIDIA製グラフィックボードの中でもミドルハイ~ハイクラスに位置するシリーズで、その性能を充分に引き出すためには組み合わせるCPUにもミドル以上のスペックが求められます。
BTOメーカーの中でこれらの条件を満たしつつなるべく安い価格帯のゲーミングPCといえば、おすすめはGALLERIAシリーズ(ドスパラ)ですね。
こちらの記事でマイクラ統合版とPCスペックに関する解説をしているので参考にしてみてください。
ワールドデータを別ハードへ移植する方法
すでにPC以外の環境でマイクラ統合版をプレイされている方へ朗報です。
PCへの乗り換え時に、これまで育てたワールドデータを移植することが可能です。
『Realms』を介してデータをアップロード/ダウンロードする方法をとれば、ワールドデータをそのまま新ハードでコピーすることが出来ます。
詳細はこちらの記事をご参照ください。